子どもを産めずに悩む女性――精子バンクは希望の光になり得るのか

くらし

ネットの海で見つけた記事

ネットニュースを見ていたら、なかなかパンチの効いたタイトルが目に入ってきました。

それがこちら↓
精子もネット注文の時代?!

まさに、THE・人目を引くタイトル。
このタイトル見て中身が気にならない人なんている? っていうレベルです。

中身を読んでみると、精子バンクについての記事のようでした。

以下、後学のために調べたことを書き残しておきます。

精子バンクってなに?

ドナーから提供された精子を保管しておく施設とかのことだよ

通販型の精子提供

世界最大の精子バンク「クリオス・インターナショナル」では、気に入った精子をネットで購入することができます。

精子バンクのサイトで気に入った精子を注文。すると数日後、冷凍された精子が届きます。

費用は数千円から数十万円かかるとのこと。

子どもという一生の宝物を得るためと考えると、決して高くはない買い物でしょう。

テクノロジーの進歩ってすごい
ネットで精子が注文できる時代がくるなんて

日本進出を目指す、世界最大の精子バンク

クリオスってどんな団体?

世界最大の精子バンク「クリオス・インターナショナル」は、1981年、デンマークのオーフスで誕生しました。

現在は、グローバル企業として、100か国以上もの国々に精子を提供しているそうです。

2019年2月に日本にも窓口を設置しており、日本語のホームページも存在します。

クリオス・インターナショナル - Cryos International

子どもがほしくても、子どもを産めない女性

日本ではまだまだ発展途上ですが、欧米では、子どもをほしいと思う女性や同性カップルが精子バンクを使うことは多いそうです。

世の中には、子どもを産みたくても産めない人たちがいます。

不妊気味の人だったり、結婚の意思がない人だったり、あるいはLGBTと呼ばれる人たちだったり。理由は様々です。

女性カップルが子どもを持つために、知人の男性から精子を譲り受ける、という話を聞いたことがあります。

この方法は、専門家が介在していない状態でやり取りされることから、感染症にかかるかもしれないといった多くの危険をはらんでいます。

ほかにも、提供をしてくれた男性に、子どものことで口出しされる可能性が考えられます。親権を要求されたら、なかなか厄介です。

これではなかなか安心できないでしょう。

精子バンクは、そういったリスクを減らし、多くの女性たちのニーズに答えられるように制度を設計しています。

ドナーの様々な情報を閲覧可能

クリオスのサイトでは、無料のアカウントを作成することで、ドナーの様々な情報を見ることができます。

その一例がこちら。

  • 人種
  • 民族
  • 瞳の色
  • 髪の色
  • 身長
  • 体重
  • 血液型
  • 職業/教育
  • 妊娠履歴 (提供時点でのドナーの実子の状況)

これとは別に、精子のドナーを選ぶ際に重要となるポイントがあります。

たとえば、クリオスでは、生まれた子どもが将来ドナーに連絡できるようにするかを選ぶことができます。

匿名ドナーを選択すれば、ドナーに連絡することはできません。

反対に、非匿名ドナーを選べば、子どもが一定の年齢に達したときにドナーの連絡先を知ることができます。

それ以外にも、ドナーの独占権などというものもあります。ほかの家族の子どものドナーになっていない人を選ぶことが可能であり、自分だけがドナーの子どもをもうけることができるのです。

同じドナーの精子を使うことで、兄弟を作ることも可能です。

ドナー登録までの険しい道のり

ドナーとして登録されるためには、厳しい審査があります。

精子の運動率や、ドナー本人の喫煙歴や飲酒歴など、いくつもの調査が入り、それを潜り抜けたごく一部が、ドナーとして登録されるのです。

感染症の有無もわからない男性から提供されるよりも、安全面は段違いと言えるでしょう。

あらゆるものが商品化される時代

ちょっと話は逸れますが、「精子が売り切れる」「まとめ買いすると安くなる」なんて表現をみると、あらゆるものが商品になりうるのだということを実感します。

それだけ不妊に対するニーズが増しているということでしょう。

需要があるからこそ、精子バンクという仕組みがこれだけ拡大しているのだと思います。

山積する問題

外国人との間に生まれる子ども

精子バンクは、子どもを産めずに悩んでいる女性にとって、ひとつの選択肢たり得ると思います。

とはいえ、気になることもあります。

精子が外国人のものであるということは、生まれてくる子どもはハーフということになるでしょう。

出る杭が打たれやすいこの国で、ほかの子どもと容貌に違いがあることは必ずしも良い方向に転がるとは限りません。

「僕の父親は?」子どもにそう訊かれたら……

精子バンクの利用で起こり得る問題は、ほかにも考えられます。

  • 精子バンクを活用して生まれた子供の法的な立ち位置が不明瞭である
  • 精子バンクを利用して生まれた子どもが、自分の出自を知ったとき、アイデンティティーが崩れる危険性あり

そもそも、日本は精子バンクの拡大が困難な状況にあります。

その理由が、「日本産科婦人科学会」が示している、提供精子を用いた人工授精に関する見解です(ホームページはこちら)。

その中で、「精子提供は営利目的で行われるべきものではなく、営利目的での精子提供の斡旋もしくは関与または類似行為をしてはならない」とあります。

会員の医師に、金銭のやり取りが伴う行為への干渉を制限しているのです。

子どもを持ちたいという願いを叶えるために

精子バンクには、メリットもあれば、デメリットもあります。

本格的に導入するためには、法の観点からも倫理的な観点からも、慎重な検討が必要になってくるでしょう。

生まれてくる子どものことを考えれば、安易に精子バンクを活用するな、という意見も出てくると思います。

とはいえ、世界的に見れば、今後精子バンクはますます拡大していくことが予想されます。

ニュージーランドでは、HIV陽性者もドナーに登録できる精子バンクが世界で初めて誕生しました。 名前を「スパーム・ポジティブ」。エイズの負の烙印を軽減させたいという願いが込められ、設立されたのです。

テクノロジーの進歩と共に、『子ども』『性』にまつわる様々な問題に対して新しい改善策が提示されていくことでしょう。

子どもを望む人々の希望を、どのように叶えていくか。

今後の動向が注目されます。

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