ゼノブレイド3『新たなる未来』をクリアしたので、気になった点をいろいろ考えてみました。
個人的な考えや想像が多分に含まれているため、間違っているところがあるかと思います。見つけた方はコメント欄でそっと教えてくれると助かります。
あわせて読みたい▶ゼノブレイドとゼノブレイドクロスの繋がり【考察】
時系列
ゼノブレイド3の時系列を整理しました。
シュルクがウーシアのコアを拾う
↓
オリジン建造
↓
交わりの日が訪れる
世界消滅
↓
メビウス誕生
↓
アイオニオン誕生
↓
メリアがメビウスに捕らえられる
↓
創造者の鍵を手に入れたメビウスがオリジンを掌握
↓
アルファ誕生
↓
シュルク、レックス、ゼットvsアルファ
↓
アルファがオリジンを掌握
↓
ナエルがアルファのコアを拾う
↓
ノアがエヌとなる
エヌがシティーを襲撃
↓
アルファ覚醒
ゴンドウ死亡
エム誕生
エイ誕生
マシューとエイが出会う
↓
ニアが砦の鍵をエムに託して眠りにつく
↓
マシュー一行とシュルク一行が合流
↓
アルファを倒す
世界が消滅し、光となった人々の情報がオリジンに集約。その情報の中から、不安や恐怖といった負の感情が集まり実体化、メビウス・ゼットが誕生しました。
そしてゼットは、メリアを捕らえ(後述するリベレイターと同じく、おそらくオリジンとの同化を免れていた)、オリジンの機能を完全に掌握。ケヴェスとアグヌスの兵士を生み出すようになったと考えられます。
ただ、このあたりの順番は少しあやふやです。特に、ゼットがメリアを捕らえたタイミングがいまいち判然としません。
世界消滅→メビウス誕生→世界(アイオニオン)誕生→メリア監禁の順番としましたが、オリジンの掌握なくしてアイオニオンを創り出せたのかについては疑問が残ります。
世界消滅→メビウス誕生→メリア監禁→世界(アイオニオン)誕生の順も考えましたが、そうするとメリアがリクに終の剣(ラッキーセブン)を託したのは世界消滅の前ということになり、なんのために終の剣を託したの?というちょっとよくわからない展開になります。
ニアが眠りについたタイミングは、メビウス・エムの誕生がエヌのシティー襲撃直後だったことと、コロニー9におけるリクの「残ったアグヌスの女王もメビウスから逃れるためにどこかに隠れたんだも」という発言から推察しました。
リンカのセリフ
意味深な内容
リンカのセリフの中に興味深いものがあったので紹介します。
私達リベレイターは
もとは別々の世界に住んでいました
シュルクさんとパナセアは“巨神界”
私と先生は“アルスト”
……というようにですゼノブレイド3 新たなる未来 リンカ
アイオニオンが誕生したと同時に
多くの人々がオリジンと同化しましたが
私達のような“例外”もいました
ヒトノワを完成させるときに一度だけ見ることのできるセリフにしては、かなり意味深な内容です。何度も見返せるようにしておいてほしい。
オリジンの仕組み
セリフの中身を読み解く前に、オリジンの仕組みをざっと見直しておきましょう。
巨神界とアルスト、ふたつの相反する性質の世界が交わろうとしたことで、世界消滅の危機が訪れます。しかし、消滅といってもすべてが消えるわけではありません。光だけは残ります。
相反する性質の世界は
ゼノブレイド3 ニア
交わることで すべてを消滅させてしまう
光だけを残して――
この性質を利用し、滅亡を回避するための手段として建造されたのが、方舟オリジンでした。
オリジンとは、消滅して光となった世界や人々の情報を記憶し、後に再生させるものです。
オリジン――
ゼノブレイド3 ニア
世界に存在するすべての情報を
光となった言葉を記憶する
未来へと渡り往く希望の船――
ここでリンカのセリフに戻りましょう。リンカの言う「オリジンに同化」とは、消滅して光となった人々がオリジンに記憶されたことを指していると思われます。シティーの人々が亡くなると光の粒子となって消えていきますが、あれと同じです。
アイオニオンが誕生した瞬間に人々がいっせいに光の粒子となって消え、リンカたちはその様子を目撃したわけです。
シュルクやレックスの仲間の多くの姿が見られないのは、オリジンに同化してしまったからでしょう。ニコルやカギロイのもととなった、シュルクやレックスの子供も同様です。
本来であれば、オリジンに記憶された光は即座に再生するはずです。しかし、オリジンはメビウスに掌握されていたため、光となって消えた人々が再生することはありませんでした。
一方、リンカは「私達のように同化しなかった“例外”もいる」とも言っています。同化しなかった、すなわちメビウスに掌握されたオリジンに取り込まれることなく光から無事に再生できた存在が、リンカたち一部のリベレイターだと考えられます(メリアやニアも同様です)。
光から再生といっても、ほんの一瞬の出来事なので本人は知覚できません。本編のエンディングでも、人々は自分が再生したことに気づくことなくそのまま祭りを楽しんでいました。
なぜそんなことが起こり得たのかは不明。負の想いがメビウスとなったように、ほかのなんらかの想いがリンカたちを生み出したのかもしれません。この世界、なにかと想いが重要視されるので。
あるいは、トリニティ・プロセッサーあたりが関係しているのか。どちらにせよ想像の域を出ないため、真相は神のみぞ知る、ですね。
世界の命運を分ける役割
もし、もとの世界の記憶を引き継いだリンカやニアたちのような人間がいなければ、アイオニオンはどうなっていたのでしょうか。
オリジンがメビウスに掌握されたことで、光となってオリジンに記憶された人々が普通に再生されることはまずありえません。
本来であれば、アイオニオンで誕生する人間はすべてメビウスが生み出した兵士だけになっていたはずです。畑で作物を作ることもできず、ただ戦うことしか知らない人々――たとえ違和感をおぼえる人間がいたとしても、10年という短い寿命の中ではなにもできないでしょう。
しかしアイオニオンには、メビウスの定めた理の外にいる者たちが存在していた。リンカたちリベレイターやケヴェスとアグヌスの両女王です。
リンカたちがいたからこそ、シティーの人々のように人間本来の営みを知る人間が存在できたと考えられます。もし彼女たちのような存在がいなければ、アイオニオンの人間は誰一人として人間本来の営みに気づくことなく、ウロボロス・ストーンも作られず、それこそ消滅現象で世界が滅びるまで永遠に戦い続ける運命だったろうと想像できます。
そう考えると、正直ゾッとしますね。
……わかりません
なぜ私達は存在するのか
理由は不明ですが――ゼノブレイド3 新たなる未来 リンカ
それが私達の……
この世界における
“役割”なのかもしれません
シュルクとレックスはどうして生きている?
ノア(エヌ)の息子であるゴンドウが老人になっていること。ノアがメビウス・エヌになる過程で何十年も経過したであろうこと。これら2点を踏まえると、『新たなる未来』は、アイオニオンが誕生してから少なくとも100年以上経過したあとの物語であると想定できます。
しかし、それならなぜシュルクとレックスが『新たなる未来』開始時点でまだ生きているのでしょうか?
可能性は2つ考えられます。
- アイオニオン誕生からシュルクたち誕生までの間にタイムラグがある
- なんらかの理由で長命化した
1つ目のパターンですが、こちらはリンカのセリフから可能性は低そうです。
リンカ曰く、「アイオニオンが誕生したと同時に多くの人々がオリジンと同化した」一方「私達のように同化しなかった“例外”もいる」とのこと。つまり、アイオニオン誕生時期からシュルクたちは存在していた可能性が高い。
となると、残りは2つ目のパターンです。
一度は神の依り代となったシュルクや、トリニティ・プロセッサーのドライバーとなったレックスだけであれば、超越的な力でなんとかなった、という理由づけを無理やりできたかもしれません。しかし、さすがにリンカやパナセアまでもが長命化している説明には使えません。
考えられる理由としては、シュルクたちがアイオニオンの外側から入ってきた生命体だからではないでしょうか。
ケヴェスとアグヌスの兵士はもちろん、シティーの人間もアイオニオン内で誕生しているという点ではみな同じとみなせます。しかし、オリジンとの同化を免れたシュルクたちは、アイオニオン由来の生命ではありません。もとの世界の記憶を受け継いでいることがその証左です。いわば、オリジン本来の機能によって再生を果たしたと言えます。
アイオニオンではない、本来の世界そのものの時間は停止ないし非常にゆっくりとしか進んでいないことから、もとの世界由来の生命であるリベレイターもまた、時間が停止あるいは時間の流れがかなり遅くなっているのかもしれません。
だからこそ、シュルクもレックスもリクも、何百年と生き続けることができたのではないでしょうか。
ただ、長命化しているわりには、そのことに関する描写が一切なされていないのが気になります。
7人目の始祖
本編で登場した、最初のウロボロスと呼ばれる6人の始祖。六氏族の祖先である彼らですが、追加ストーリーでその正体が明らかになりました。
しかし、始祖には7人目が存在しています。ほかの6人と異なり像が残っていないことから、はっきりした正体はわかりません。ただ、追加ストーリー内で候補になりそうなキャラクターが2人いたので、そのどちらかではないでしょうか。
候補は、エイとリクです。
個人的にはエイ推しですが、リクの可能性も捨てきれないので悩ましいところです。以下、それぞれの理由を載せておきます。
- エイ
- 始祖の像にあえてリンカやパナセアではなくシュルクとレックスが入っていることから、追加ストーリーで操作可能キャラに合わせている可能性がある。となると残りはエイ。
- エイはマシューと共にシティーの生き残りを保護してまわったり命刻碑設置に協力したりするなど、傍から見ればシティー復興に尽力していた。そのうえ世界消滅の危機を防いだ一人でもあることから、シティーの人々がエイをマシューたちと同様に英雄視したとしてもおかしくない。
- 台座に置かれたウロボロス・ストーンのケージは、7人目の像の代わりに展示するものを探したときに、ウロボロスにまつわる品として選ばれただけの可能性がある。すなわち7人目との繋がりを示すものではない。
- 台座には、伝承が残っていないのは7人目の始祖の意思によるものである可能性が示唆されていると書かれているが、可能性があると言っているだけで本当に本人の意思によるものかはわからない。実際、リイド家の台座に書かれた記述には誤りが含まれている(師はメビウスとの戦いで右腕を失ったと書かれているが、実際はアルファとの戦いによるもの)。
- リク
- ウロボロス・ストーンのパワーアップに多大なる貢献を果たした。リクがいなければ、インタリンクもできなかったかもしれない。
- 追加ストーリーの最後、マシューが「留守の間シティーを頼んだぜ」と語りかける6人のうちの1人に入っている。
- 台座に置かれているウロボロス・ストーンと関係が深い。
リクは演技派?
なにかと謎が多いノポン、リク。
追加ストーリーですべて明らかになるかと思いきや、そうはなりませんでした。むしろ、さらに謎が深まる始末。そのひとつが、本編とDLCにおける設定の矛盾です。
ゼノブレイド3本編でシティーにたどり着いた直後、老人を見たリクは「同じようなしわくちゃ人がいるも」と不思議そうな様子を見せています。
また、赤ん坊を見た直後に先生から「人間本来の姿 知りたい人 手を挙げて」と言われた際は、リクもほかの兵士組と同様に興味津々といった感じで手を挙げています。
明らかに、老人や赤ん坊を初めて目にしたような反応です。
リクはケヴェス所属のメカニックとして活動していたのだから兵士以外の人間のことは知らなくて当然と思っていたので、本編プレイ中は特に疑問を抱きませんでした。
しかし、DLCが配信されたことにより、リクは以前シティーやリベレイターの人々と一緒に生活していたことが明らかになりました。
拠点となるコロニー9にはミゲルのような老人もいたり、子どもが生まれる話も出ていたりすることから、赤ん坊や老人の存在はすでに知っていたはずです。
それなのに、なぜノアたちと行動していた時はそのことをすっかり忘れていたのか。シショーにまつわるあれこれは鮮明におぼえていることから、記憶を失っているわけではないようです。
となると、わざと知らないふりをしたということになります。なぜノアたちの前で演技をする必要があったのか。
DLCが追加されたことで、新たな謎が増えました。
コメント
エンディング後、自分の理解がちょっと追いつかず、⁇だったところが、考察を拝見して「そういうことか‼︎」と、疑問だった点も解決、腑に落ちました。
シュルクとレックスは、アイオニオンを救うたために、メリアかニアが再生したのかなと思ってました。
あと最後の、青い惑星に堕ちていく光のシーンがありましたが、あれはオリジンでしょうか?
本来のオリジンから再生をする新たな惑星に辿り着いたのかなと思ったんですが。→まだよくわかってないのかも(笑)
ゼノブレイド3は世界の成り立ちや時系列が複雑なうえ、説明がざっくりしているので少しわかりづらいですよね。
考えれば考えるほど、どつぼにはまっていくような気がします。
ラストの流星は、終盤にゼノサーガやゼノブレイドクロス要素が登場したため、そっち関連のものかなと思いました。
私は1.2.クロス全部楽しめたんですが、ゼノブレイド3のストーリーで非常にがっかりしてしまい、もう二度と起動してやるものかと思ってました。
以前の3本編のストーリー評を見て、感性が近いと感じたので質問なのですが、主さん的に新たなる未来はやって損しない内容だったとお考えですか?正直、また裏切られるのが怖いです。
コメントありがとうございます!
個人的には、『新たなる未来』はかなり楽しめました。
終盤失速気味だった本編ストーリーと比べ、追加ストーリーは最後まで盛り上がり、上手くまとめられていたと思います。
やたら長い戦闘の引き延ばしもなかったですし、ムービーも程よい量でした。
ゼノブレイドシリーズの集大成ということで、過去作を連想させるファンサービスが多かったのも嬉しかったです。
一部、設定に無理矢理な印象が感じられたり、残された謎があったりと気になる点はありますが、全体的に見ればプレイしてよかった作品でした。
参考になれば幸いです。
自分自身で武器をつくれる過去の主人公でゼノギアスかサーガ
正直物語を設定する際に矛盾を易々と作るような制作者の方ではないと思いますし、1や2であれほどわかりやすく本編でまとめられていたストーリーが3では複雑かつわかりにくくなっているのは流石に狙ってるんじゃないのかなーとも思います。また、制作陣の中にはストーリーを筆頭にゲームを推す方もいらっしゃるので、これはゼノファンとして試されているのかなとさえ考えますね笑
ただ登場人物と物語の構図はとても魅力的に感じましたね。
私たちが主人公を軸に見るのではなく敵の視点から見る感じがとても現代の若者への風刺…みたいなものが効いてますし…
これだけでもストーリーを若者に薦める価値は十分にありました!