RPGツクールはVX、VXAce、MV、MZと多くの後継版が発売されているが、一部を除いて互換性がない。RPGツクールVXで制作したマップをRPGツクールMZで使いたいと思っても、VXのデータをMZのフォルダにただコピペしただけでは読み込んでくれない。
ポケモン金・銀とルビー・サファイア間で通信ができなかったことを思い出す。後継版を出すなら以前のソフトと互換できるようにしてくれよ!
幸いなことに、完全に断絶していた過去のポケモンと違ってツクールはソフトの壁を越える方法が存在する。ということで今回は、RPGツクールVXのゲームをRPGツクールMZに移植する方法を紹介。
VXからMZへ一気に変換することはできない、というか方法を見つけられなかったので、VXからVXAce、VXAceからMV、MVからMZと順に移植していく。
当たり前だが、ソフトによって仕様の異なる部分があるし、VXやVXAce時代のスクリプトをMV・MZで使うことはできない。グラフィック素材のリメイクも必要だ。完全に移植しようと思ったら一筋縄ではいかないので注意しよう。
【関連記事】【RPGツクールMV・MZ規格】RPGツクールVXAce素材(タイルセット、キャラチップ)
VXからVXAceへ変換
▼使用スクリプト(制作:暴兎 様)
RPGツクールVX -> RPGツクールVXAce 自動移植スクリプト
スクリプト内に説明が書かれているが、ざっくりと手順を解説。
- VXAceの新規プロジェクトを作成
- VXの[Data]フォルダのデータをVXAceの[Data]フォルダにコピー&ペースト
- VXAceのスクリプトエディタに自動移植スクリプトを貼り付け(VXのほうではない)
- VXAceのテストプレイ実行
- VXAceのエディタを再起動する
- 移植完了
実際にコンバートしてみた際、いくつか修正の必要な点があったので参考までに載せておく。
・武器タイプや防具タイプが未設定
→設定し直そう
・防具の装備タイプがすべて[盾]になっている
→設定し直そう
・両手持ち設定が消えている
→特徴から[装備封印]を設定しよう
・一部のスキルが重複している
→不要なスキルを削除(ただし、スキルの番号をずらすと職業の習得スキルをはじめ、敵の行動パターンなどスキル関連のデータがずれるので注意が必要)
・スキルの効果範囲が変わっている
→効果範囲の設定をやり直そう
・ショップ画面を開こうとするとエラーが出る
→ショップの処理の設定をやり直せばエラーが出なくなる
・場所移動したときフェードアウトがない
→場所移動の編集画面を開いてそのまま[OK]を押すと直る
・オートタイルで設置したテーブルの表示がおかしい
→マップを書き直す
VXAceからMVへ変換
▼使用スクリプト(準公式/制作:Shaz 様)
Ace to MV Converter
VXAceからMVへの移植に関しては、ツクールが準公式のプラグイン(スクリプト)を用意してくれているのでそちらを利用しよう。
ダウンロードしたフォルダを開くと、中に似たような名前のファイル[Ace MV Converter]と[Ace to MV Converter]が入っている。基本的には名前に“to”が入っているほうのファイルを使えばいい。
- MVの新規プロジェクトを作成
- VXAceのスクリプトエディタにスクリプトを貼り付け
- VXAceのテストプレイ実行
- VXAceのフォルダ内に[mv-data]が自動で作成される
- [mv-data]内のデータをMVの[data]フォルダにコピー&ペースト
- 移植完了
以下、注意点。
・(VXからVXAceに移植したデータを変換した場合)ゲームデータを開こうとするとエラー[ファイルSkills.jsonを読み込めません。]と表示される
→VXAce側のデータを開き、スキルのメモ欄をすべて空欄にしてからMVデータに変換すると読み込まれるようになった(理由は不明)
[RPGツクールVX -> RPGツクールVXAce 自動移植スクリプト]の説明によると、VX側で設定されていた属性がVXAce側のメモ欄に記録されるようだ。
・用語がところどころ英語になっている
→データベースの用語を手動で日本語に直そう
MVからMZへ変換
最後はRPGツクールMVからRPGツクールMZへの変換だが、今回は特にスクリプトを使う必要はない。
- MZの新規プロジェクトを作成
- MVのプロジェクトデータ内の各種ファイルをMZのプロジェクトにコピー&ペースト
- 移植完了
RPGツクールMZの公式サイトに詳細が記載されているので、困ったときはそちらを参考にしよう。
以上で移植作業は終了だ。これで古い(VX)のゲームデータも新しいソフト(MZ)に転生させることができる。
よいツクールライフを!
コメント