『キミガシネ ―多数決デスゲーム―』生き残りをかけた選択【感想】

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エンタメ

キミガシネ ―多数決デスゲーム―』というゲームをダウンロードした。以前、ブログ読者の方から教えてもらったPCゲームだ。

タイトルから察するに、理不尽に人が死んでいくデスゲームものと考えて間違いないだろう。うーん、多数決で命を奪われる人間を決めていくゲームだとしたら、なかなかエグい設定だ。心折れずに最後までプレイできるかな?

とりあえず、なにも情報がないままゲームを起動する。

この手のゲームは初めてだったので、自分に合うかどうか正直不安だったが、少しプレイしてみて確信した。あ、これ、めっちゃ面白いやつだ。

ストーリー

主人公の女子高生 千堂院 紗良(サラ)は帰宅後、何者かの手により意識を失ってしまう。
気がつくと集められた他の参加者と共に凄惨なデスゲームへの参加を余儀なくされる。
さまざまな想いを抱えた11人の参加者はゲームから生還するため自身の生死をかけた戦いに挑むこととなる。
どのような結末を迎えるか?あなたの選択で未来は変わる。

https://store.steampowered.com/app/2067780/_/ (2023/08/22)

感想

制作者:ナンキダイ 様
ジャンル:ホラーアドベンチャー
制作ツール:RPGツクールMV
クリア時間:約14時間

軽い気持ちで遊び始めたら、まさかの10時間を超える超大作だった。これが無料……? ウソだろ? 作業量を考えると、本当に頭が下がる思いである。フラグ管理とか大変なことになってそう。

膨大なテキストと豊富なミニゲーム。時にはプレイヤーの心をえぐり、時には温かくする、先の読めないストーリー展開。序盤こそ怖々進めていたが、いつの間にか寝食を忘れて没頭してしまった。おかげで最近は寝不足だ。

演出も躍動感たっぷりで、ツクールを触ったことがある身としては驚きしかない。僕の知ってるツクールと違う……。

『キミガシネ ―多数決デスゲーム―』

一癖も二癖もあるキャラクター

印象深い点はたくさんあるが、まずなによりも、登場キャラクターたちがすごくいい

最初は「なんだかぶっ飛んだ見かけのキャラばかりいるな」ぐらいの感想だった。むしろ、インパクトがありすぎる外見に「いくらなんても盛りすぎだろ……」と若干引いてしまったというのが正直なところだ。

だって、キャラのひとりをよく見たら頭にバケツを載せてるんだよ!? あとで公式サイトのキャラ紹介を見たら、「もともとは年相応のどこにでもいそうな女子中学生だった。」と書かれていたけど、頭にバケツをかぶせてる女子中学生なんて普通いないから。いてたまるか。

ほかにも、ハンバーガーみたいな名前の巨漢とか、猫のようなフードとマントに身を包んだ小学生とか、とにかくツッコミどころに困らない、そうそうたる面々がそろっている。どんな人選だよ。

が、難局を乗り越えるにつれ、ちょっと変わった外見なんて気にならないほど登場人物たちのことが好きになった

自分が死ぬのは怖い。だけど他人も犠牲にしたくない。そんな葛藤の中、もがき苦しむ登場人物。まさに極上のヒューマンドラマだ。

疑心暗鬼に陥りながらも他人を想う気持ちを忘れない彼ら彼女らの姿に、何度も胸を打たれてしまった。まさかこんなにも心が揺さぶられるとは……。偏見に満ちた目で見てしまった過去の自分が恥ずかしい。

デスゲームゆえ、全員が無事に生還! というわけにはいかず、道半ばで脱落する者も残念ながら存在する。

当然、最初に退場するほど出番は相対的に少なくなるわけだが、それでも印象に残る人物ばかりというから、制作者のキャラ造形の巧さ、ストーリーの魅せ方には舌を巻く。

謎が謎を呼ぶストーリー

デスゲームと言えば、参加者同士の心理戦だけでなく、ゲームの目的や脱出方法を探ると言った推理要素も魅力のひとつだ。本作にもそれが当てはまる。

しかも、小説やドラマのように決められた一本の筋書きをなぞるのではなく、自分の手で気になるところをクリックして調べ、自分の頭で矛盾点を見つけ出す展開は、控えめに言って最高だ。思い通りの答えを導き出したときの快感といったら、筆舌に尽くしがたい。これはゲームならではの体験だろう。

もちろん制約はある。ゲームである以上、クリアするには決められた手順をある程度踏む必要があるため、たとえ答えの予想がついても一足飛びに解決することはできない。

うまい具合に対話を発展させられない場面では、ついもどかしさを感じてしまった。突破口がわからず、全行動パターンを試す総当たり攻撃みたいな拙い手をとることもあった。それでも、答えにたどり着いた瞬間の達成感は半端ない。

気づいたらすっかり病みつきになっていた。

予想を裏切るストーリー展開で、序盤から終盤までダレる場面が一切ないのもポイントが高い。この先、どんなことが起こるのか気になりすぎて、やめどきをすっかり失ってしまった。

ストーリーの合間にはミニゲームが用意され、ほどよいアクセントになっている。頭を使うものからアクション性のあるものまで、ミニゲームの種類は様々だ。

ロシアンルーレットをあっさりクリアし「もしかして俺って天才か……?」と調子に乗っていたら、その後のミニゲームでは見事にミスを連発し苦戦した。

ちくしょう。反射神経はすっかり鈍っているし、マウスをクリックする手は疲れるし、こんなところで身体の衰えを感じたくはなかった……。

ひとつ後悔しているのが、先の展開が気になるあまり、何時間もぶっ通しでプレイしてしまったことだ。おかげで思考が鈍り、おざなりの推理をしてしまうときがあった。いま思えば、これはもったいないことをしてしまった。まっさらな状態で推理を楽しめるのは、初回のゲームプレイ時しかないのに。

これもぜんぶ、このゲームが面白すぎるのがいけないんだ!

最後に

さて。非常に満足度の高いゲームであるが、難点もある。

なんとこのゲーム、2023年8月22日時点で肝心の最終章がまだ実装されていないのだ!

物語は最終章の前半で終わっている。ゲームの目的、主人公たちが集められた理由、黒幕の真意。すべてがあと少しで明らかになるというところで、プレイヤーはまさかのお預けを食らうのだ。え、嘘でしょ? こんな鬱展開、聞いてないよ! デスゲームもびっくりの絶望感だよ!

そんな『キミガシネ ―多数決デスゲーム―』だが、フリー版をBOOTHから、有料版(1,900円)をSteamからダウンロードできる。有料版には、キャラクターの過去編や設定資料集が含まれれており、キミガシネの世界をより深く知ることができる。気になった方はぜひプレイしてみてほしい。

っていうか、実況も盛況だし、むしろある程度ゲームを嗜んでいる人はプレイ済みなのか? 僕がただ乗り遅れていただけ?

コメント

  1. 匿名 より:

    記事まで作っていただきありがとうございます!
    最終章お預けはキツイですよね…

  2. ライム ライム より:

    こちらこそ、教えていただきありがとうございます!
    めちゃくちゃ楽しめました。
    完成が待ち遠しいですね。

  3. 匿名 より:

    ですね!

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