「いつも当店をご利用いただき、ありがとうございます。誠に勝手ながら、当店は○○日をもちまして閉店させていただきます」
問い:意気揚々と書店に足を運んで目にしたのが、閉店を予告する張り紙だったときの心境を50文字以内で説明せよ。
答え:はあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!?
近所の書店が閉店するそうだ。
おそらくこのブログを見に来てくれた方の大半には関係ない報告で申し訳ないのだが、ぼくにとっては一大事なので書かずにはいられなかった。というか、関係あったらぼくと生活圏が被っているということになるのでそれはそれで困る。
全国の書店数は年々減る一方だ。電子書籍の普及のせいだとか少子化の影響だとか、原因についてはいろいろ言われている。ほかの娯楽が増えすぎたせいで、読書に時間を割く人自体が少なくなってきているのかもしれない。
書店関連のニュースを目にするたび、ぼくも危機感をおぼえていた。その一方で、「まあ、たとえ世界から書店が消えても、家の近所に一軒あればいいっしょ」とどこか楽観的に考えてもいた。楽観的というか、ただのバカである。自分の住んでいる地域だけ特別なはずがない。
案の定、ぼくの住む町にも不況の波がたどり着いてしまった。
突然もたらされた悲報。膝から崩れ落ちるぼく。閉店の事実を知った昨日は、あまりのショックで記事が書けず、連続ブログ更新記録を途絶えさせてしまった……というのは半分冗談だけど、スーパーと同じぐらいの頻度で書店に入り浸っていたぼくにとってつらい出来事であったことは間違いない。
いまの賃貸を選んだ一番の決め手は近くに書店があったからだぞ!
書店がなくなったらぼくはどこで本と触れ合えばいいんだ!
「本を購入するだけならネットで買えばよくない?」と言う人がいるかもしれないが、それは違う。
確かに本を買うならネットでもすませられる。わざわざ家から出る必要もないし、ポイントもついてちょっとお得だ。
しかし、実店舗の書店は、なにも本を買うだけの場所ではない。実際に書店へ足を運ぶことでしか得られないメリットが確実にある。
いい機会だから整理してみよう。
まずなにより、書店に行けばさまざまな本と出会える。当たり前のことだが、これはかなり大きい。
ぼくは「この本を買おう」といった確固たる目的を持って書店へ行くことはあまりない。たいてい、「どんな本があるのかな」と気軽にふらっと立ち寄ることが多い。
歴史、科学、政治、文学、サブカルチャー。ひとつの書店には、さまざまなジャンルの本がひしめき合っている。店内をぶらぶら歩くだけで、嫌でもあらゆるジャンルの本が目に飛び込んでくるのだ。
この体験は、ネットショッピングでは味わえない。
通販サイトには利用者の購入履歴などからおすすめ本を紹介してくれる機能があるにはあるが、いかんせん似たようなジャンルの本ばかりになりがちだ。おまけに紹介される数も限られる。書店に平積みされた本の種類と比べたら、雲泥の差だ。知的好奇心の刺激され具合がまったく違う。
書店に来るまで存在すら知らなかった本を、気づいたらレジに通していた。書店に行ったことがある人の中には、そんな経験をした人も多いのではないだろうか? ぜんぜん予定になかった本を買いたくなる。書店とは、そういう魅力に満ちた場所なのだ。
さらに、実店舗の書店では、気になった本を実際に手にとって見ることができるというメリットもある。
目次の内容、文体、文字の量。実際にページを開いてみないとわからないことは多い。
小説ならあらすじだけわかれば充分かもしれないが、専門的な本になると、やっぱり事前に内容の確認をしたくなる。タイトルから想像した内容と、実際に書かれている内容が一致しないことがたびたび起こるからだ。
タイトルが良さげだから買ったのに、いざ中身を読んだら期待してたものと違ったらショックだろう。
逆のパターンもあり得る。タイトルはちょっとアレでも、ぱらぱらとめくってみたら意外と面白そうな内容だったという具合だ。そんなときは、偶然の出会いに感謝しよう。
ネットで目にしたときはすごくよさそうだったのに、実際に見るとそうでもなかった、なんて失敗談はそこらじゅうに転がっている。どれだけ電子の世界が広大になろうと、やっぱり現実での体験に勝るものはない。
書店は、人と本とを繋ぐ架け橋のような場所だ。そんな場所が失われていくことに、ひとりの本好きとして歯がゆさが募るばかりである。
コメント
自分もそんなに行ってない近所の本屋が閉まるって聞いて大ショックだったから気持ちお察しします…[古畑]
ただでさえ本屋少ないんだからこれ以上減らさないでくれ!
TSUTAYAも頑張れ!
大丈夫です。ライムさん僕の場合は元から一店舗も書店という書店がないですから。
(一応ショッピングモールに併設されたところに一つと教科書しか売ってない書店があるけど正直ひどい)それと比べたらましですよ。