言わずと知れた国民的少年漫画ワンピース。
そのテレビアニメ放送20周年を記念した超大作映画が、2019年8月9日(金曜日)に満を持して公開されました!
「立ち上がれ、全勢力。」
もうこのキャッチコピーだけで痺れますね!
早速観に行ってきましたので、以下に感想をまとめたいと思います。
あらすじ
海賊の、海賊による、海賊のための、世界一の祭典、海賊万博。
「祭り屋」と呼ばれる万博の主催者ブエナ・フェスタからの招待状を手にしたルフィたち麦わらの一味。導かれるまま会場に着くと、華やかなパビリオンが所狭しと並び、世界中から海賊たちが群がる、大きな盛り上がりをみせていた。そこには勢揃いした“最悪の世代”キッドやベッジ、ホーキンスにボニー、さらにはバルトロメオ、キャベンディッシュの姿も!全員の目的はただ一つ、万博の目玉「海賊王(ロジャー)の遺した宝探し」。
宝を手に入れ名を上げたい海賊たちによるお宝争奪戦の火蓋が切られた!
しかし、海賊たちが熱狂する万博の裏では、別名「最悪の戦争仕掛け人」フェスタの凶行が張り巡らされ、海賊たちを一網打尽にしようとスモーカーたちによる海軍の潜入捜査までもが動き始めていた――。
時代の派遣を左右するお宝争奪戦が熱を帯びる中、突如、元ロジャー海賊団「“鬼”の跡目」と呼ばれた男ダグラス・バレットが乱入。
ルフィたちの前に恐るべき脅威となって立ちはだかる!劇場版『ONE PIECE STAMPEDE』公式サイト
事態の収束を諮る海軍は大将“藤虎”イッショウ、“黄猿”ボルサリーノ、さらには王下七武海“海賊女帝”ハンコック、“世界最強の剣士”ミホークをも召集し、狂乱する海賊と激突!加速する戦乱にはさらに“元王下七武海”クロコダイル、“革命軍参謀総長”サボ、“CP-0”ロブ・ルッチまでもが其々の目的のため姿を現した!
乱戦極まる様相に、遂に海軍は“バスターコール”を発動!
お宝争奪戦と海賊万博は予測不能の大混乱へと陥って行く!!
見どころ
オールスター集結
なんといっても、最大の見どころはこれですね。これまでにワンピースに登場したキャラクターたちがこれでもかというぐらい登場します!
よく知るキャラから、懐かしのキャラまで勢ぞろいです!
最悪の世代、海軍大将、王下七武海、革命軍、CP-0――
ワポルとフォクシーがなんだかんだそこそこの頻度で出ていましたね。フォクシーのどや顔からの、「助けてください」は笑いました。
王下七武海になってからはなかなか登場の機会がなかったバギーも大活躍です。
原作では絡みのなかったキャラクター同士のやり取りがあるのもよかったですね。
- 深手を負うトラファルガーローと彼を捕らえようとするバギー
- メラメラの実を宿したサボと戦うスモーカー
- ハンコックに踏みつけられるバギー
- バレットから宝を強奪するため策をめぐらすローとクロコダイル
などなど。
このキャラとこのキャラが話すとこんなふうになるんだ、と感激しながら観てました!
そしてなによりも見ごたえあったのが、最強の敵ダグラス・バレットに挑む、夢の共同戦線!
海賊、海軍、革命軍、CP-0の面々が集まるシーンは圧巻の一言でした。こんなシーン、原作では絶対に実現しないでしょう。
ほかにも台詞はまったくないものの、「あれこいつどこかで見たことがあるぞ」という顔がわんさかと出てきます。特に序盤の万博商会シーンでは、次々とキャラクターたちが登場し、まるでウォーリーを探せ状態でした。
ルフィとウソップの友情
宝を手にしたことで、真っ先にバレットに狙われてしまったウソップ。瀕死のウソップを見たことで、ルフィは激怒し、バレットに戦いを挑みます。
命をかけて仲間を守ろうとするルフィと、そんな船長のために自らも決死の覚悟を張るウソップ。彼らのやり取りには思わずうるっと来てしまいました。
肝心な時に役立たずでごめん、と謝るウソップに、「お前はまだ、アイツに負けてねェ!!」と断言するルフィ。かっこいい!
最後、合体を解除したものの、あと一歩のところで倒しきれなかったバレットに一瞬の隙を作ったのはウソップの狙撃によるものでしたし、彼がいなければきっとルフィは負けていましたね。
「援護は狙撃手の花形だ」
ウソップは見事に、一矢報いました。
圧倒的な怪物ダグラス・バレット
本作の敵であるダグラス・バレット。
元ロジャー海賊団の船員で、鬼の跡目と呼ばれる男。悪魔の実であるガシャガシャの実を食べ、あらゆる武器などと合体できる合体人間です。
大監獄インペルダウンのLEVEL6に収監されていたところを、ルフィ、黒ひげが起こした騒ぎに乗じて脱獄しました。
能力を使わない状態で最悪の世代を赤子の手をひねるように易々と退ける圧倒的な強さ。
ガシャガシャの実を発動させてからは、もはや理不尽すぎる力を持って海賊たちを蹂躙します。
さらに、悪魔の実は覚醒しており、町や海賊船、さらには島に集まってきた海軍の軍艦をすべて取り込み、牡鹿のような角を持った超巨大な怪物へと変貌します。
バギー曰く、海賊王の右腕だったレイリーとためを張るレベルの化け物。彼一人を捕らえるために、海軍はバスターコールを発動せざるを得なかったほど。こいつもはや四皇レベルじゃね?と思うほどの強さです。
彼は軍事国家「ガルツバーグ」の軍人です。
圧倒的な才覚で頭角を現しましたが、その強さを恐れた仲間や上官の裏切りにあい、他人を信用できなくなります。
強者を求めて海をさまよううちに出会ったのが、海賊王ゴールド・ロジャー。
彼に敗北したバレットは、「おれはいつかあんたを倒して世界最強になる…!」と誓いを立てます。
しかし、ロジャーが不治の病だと知り、衝撃を受けるバレット。
やがてロジャーの強さに疑念を抱き、「仲間を守る」という意識を邪魔に感じ、「自分一人が勝つための強さ」を求めるようになります。
己のすべてを受け止めてくれたロジャーの死により、行き場を亡くしてしまった拳。
今回の戦いは、そんなバレットが、ロジャーを超える強さを示すために仕掛けたものでした。
海賊王の宝
ゴールド・ロジャーが残したとされる、今回の海賊万博の目玉。
その正体はなんと、ワンピースの眠る島、ラフテルへのエターナルポース。これはまさしく、海賊なら喉から手が出るほどほしい宝ですね!
最終的にはルフィが宝をバレットから奪い返すのですが、これを手にしたルフィは、自分の手で壊してしまいます。
「おれはこれ、いらねェ!!」
さすがです。
似たようなシーンが原作にもありましたね。
シャボンティ諸島でレイリーと会った際、ワンピースの話がレイリーの口から語られるのを嫌がったシーンです。
「つまらねェ冒険ならおれはしねェ!!」
ぶれがありません。
映画のラストでは、ロジャーがエターナルポースを海に投げ捨てるシーンが描かれています。
部下がラフテルへの航路をエターナルポースに記録したことをロジャーが知った際、彼はこう言っています。
「こんなモンに頼る様な奴に手に入れられる宝じゃねェ」
冒険こそが最大の楽しみであるルフィとロジャー。
二人はやはり、似た者同士ということでしょう。
気になったところ
- バトル漫画で細かい点を気にしたら負けだとはわかっていますが、やはり強さの順位は気になりますね。全盛期のレイリーと互角だったバレットを倒すルフィって強すぎじゃない?と思ったり思わなかったり
- ロブ・ルッチがそれほど共同戦線張っていなかったような? むしろ、ローと組んでバレットの力を削いだクロコダイルのほうが、よっぽど共闘していたような気がします
- フォクシーとペローナがいれば、バレットももっと簡単に倒せたのでは?ノロノロの実を食べたフォクシーが放つノロノロビームに当たったものは行動が遅くなりますし、あのゾロを一瞬で戦闘不能にするホロホロの実の能力者であるペローナならば、バレットだってネガティブ思考に変えてしまえるでしょう。まあ、バレットを相手に、能力の射程距離まで近づけるかどうかは微妙なところですし、なによりそれだとぜんぜん夢がありませんからね …
- 巨大怪物と化したバレットの攻撃パターンが単調だったのが少し残念です。せっかく軍艦とか多くの兵器を取り込んだんだから、殴るだけじゃなくて口からビームとか飛ばしてほしかったです
その他感想など
- ウル―ジ強い。序盤のお宝争奪戦では普通にルフィと渡り合っていましたし、バレットに対してもなかなか強烈なパンチを加えていました。さすが、原作で四皇ビッグマムの最高幹部の一人を打倒しただけの実力者です
- 仲間の存在を否定するバレットに対するルフィの台詞「宴ができねェ」ルフィらしいです。ぶれがまったくありません
- バレットの巨体をのけぞらせるほどの強力な蹴りを放つハンコック。強い。びっくりするぐらいの速さで走っていました。七武海としての貫禄がありましたね
- スモーカー、大活躍。めでたい
- 最悪の世代たちの海賊船ビジュアル、本邦初公開。個性あふれる外観で、それぞれのらしさが前面に出ていました。キッドの恐竜の骨の船首と、ウル―ジの般若の船首が強烈です
- バギーと愉快な仲間たち、健在。笑えました
- 相変わらずの苦労人ロー。バレットを倒す策を思いつくも、誰一人として話を聞かない面子ばかり。ルフィは単身突っ込み、そんなルフィを気にかけ同じく単身突っ込むハンコック
- 当時ロジャーにすら善戦したバレットと戦って、決着がつかなかったというクロコダイル。あなたそんなに強かったの?
- パンダマン、もはや隠れキャラじゃないぐらい登場しています
- 隕石を降らせて帰った藤虎と、隕石を切って帰ったミホーク。あなたたちはいったい何をしにきたんだ
- ペローナのホロホロの実の能力で戦闘不能になる戦桃丸
- スモーカーとヒナとの間にある揺るぎない信頼関係、最高過ぎじゃないですか
- 原作には未登場のワポルの兄ムッシュールが登場していることから、パラレルワールド的な物語であることが確定
- バレットを倒すシーンのとき流れ出した名曲「ウィーアー!」。涙が出そうでした
- 最後にまさかのエース登場。サボと肩を並べていたシーンを見たときは衝撃を受けました(ビジョビジョの実によるビジョンですが。そしてビジョンのはずなのに、なぜ炎だけ消えないのかという疑問は残りましたが)
最後に
まさに20周年超大作にふさわしい作品でした。勢ぞろいするオールスターキャスト、ど迫力のある戦闘シーン、どれも必見です!
それぞれのキャラクターに見せ場があって、ドラマがあって、非常に濃い101分間でした。
一人の強さを追い求めたバレットと、仲間のために仲間を信じて戦うルフィ。
まさに信念と信念とのぶつかり合い!
最後まで胸が熱くなりっぱなしの映画でした!
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