るろうに剣心 最終章 The FinalおよびThe Beginningを見てきた。
The Finalは4月の公開直後に見に行っていたんだけど、昨日The Beginningを見たらもう一度観賞したくなって二度目を見てきた。
で、感想なんだけど、とにもかくにも、佐藤健さん演じる緋村剣心がかっこいい。
原作はまったく読んでないしアニメも未視聴だけど、それでも十分に濃密な2時間25分を過ごせた。
なんなら三度目も行きたい。
過去の因縁との決着
The Finalは、剣心の頬にある十字傷にまつわる話。
剣心がかつて自らの手で殺してしまった妻、巴。彼女の弟が、剣心への復讐を胸に東京を襲う。
最後の敵、雪代縁を演じるのは新田真剣佑さん。銀髪が似合う。
物語開幕直後から、いきなり派手なアクションシーンが連発する。大盤振る舞いである。江口洋介さん演じる藤田五郎(斎藤一)とのやりとりから、もうわくわくが止まらなかった。
「志々雄に鋼鉄艦を売ったのはおまえだな」
はい、さっそく心つかまれましたー! 前作のラスボスの名前が出た瞬間、身体が痺れたね。見事な導入部分だった。
一度は逮捕された縁だったが、領事裁判権により日本の法律からは逃れてしまう(高校の日本史で習った言葉を聞くとなんだか懐かしいというか嬉しくなる)。
その後、縁は同志たちとともに東京を襲撃。剣心と熾烈な戦いを繰り広げていく。
ヒロインが捕まるのはお約束
るろうに剣心シリーズのヒロインは、武井咲さん演じる神谷薫である。
映画では、今作で初めて剣心が過去に妻を惨殺したことを知ったのだが、そのときの胸中はいかばかりだったのだろう。
それはそうと、この神谷薫氏、毎回敵方に捕らえられている。1作目では吉川晃司さんに連れ去られ、2、3作目の京都大火編、伝説の最期編(前後編)では藤原竜也さんに連れ去られ、本作では新田真剣佑さんに連れ去られた。人気者だな、おい。
ピーチ姫といい薫といい、とりあえずヒロインは誘拐される運命なのである。主人公の伴侶となるための試練ということだろうか。
主人公のヒロインになるのも一苦労だ。
サプライズゲストの登場
物語後半、小物臭が服をきたような敵のお偉いさんの前に、ひとりの影が囁きかける。
あれ、この声はもしや……。
そして映し出される顔。
瀬田宗次郎来たーーー!
いやまあ、原作読んでないしそこまで思い入れがある人物というわけでもないのだが、前作で剣心と戦い、剣心を苦しめた強敵が再度登場するというのは、心躍るものがある。
このシーンは短い会話のやり取りで終わってしまうのだが、後々出てきて宗次郎が暴れることは確実。
スクリーンを見る姿勢も、ついつい前のめりに。
そしていよいよ剣心が敵のアジトへ殴り込むときがきた。
待ち構えるのは、百人以上いるんじゃないかというぐらいの敵の大群。剣心ひとりに対して多すぎである。中ボス的な存在が二人ほどいるが、剣心を倒すとかほざいていたわりには仲間に守られすぎではないだろうか。
しかしさすがは緋村剣心。そんな敵の大群相手に一歩も引かず、バッサバッサと逆刃刀で薙ぎ払っていく。
次々と倒れていく敵。数の暴力がまるで意味をなさない。笑っちゃうぐらいに吹き飛んでいく。
どうしてこんなに戦闘能力が違うんだ……というツッコミは野暮だ。バトルもので主人公は超人と相場が決まっている。
援軍の到着とともに、剣心はアジトの奥へ。
しかしそこには、銃を構えた無数の敵。
まだいるのかい。
そして負け犬臭が激しい例の敵のお偉いさんが言い放った。
「こっちには切り札がある!」
お、来るか来るか?
通路の奥から現れたのは、神木隆之介さん演じる瀬田宗次郎。
向かい合う剣心と宗次郎。一触即発かと思いきや、なんとこの二人、共闘するのである。
かつての敵が、背中を預けられる仲間となる……!
今作の二度目のグッときたポイントである。
エンターテイメントとはかくあるべきだと思わせてくれるストーリー展開だ。
ストーリーとしてはヒロイン誘拐と同様に共闘も使い古された手ではあるが、何度も使われるだけの理由がわかった気がした。
燃える。
しかし二人ともめちゃくちゃ動くな……どれだけ殺陣の練習したんだ、いったい。
同年代とは思えない。
控えめに言って最高でした。
妻の弟との死闘、そして決着
宗次郎の助力もあって敵の包囲網を抜けた剣心は、ついに縁と対峙する。
BGMが流れず、響くのは剣戟の音のみ。そんなひりついた緊張感にのまれた。
縁が鞘を膝の裏で挟んで、すっと刀身を抜くシーンが見事すぎた。
ところで、戦いのたびに建物やらなにやらいろいろなものが破壊されていくが、これNG出したらどうなるんだろうか。割れた窓ガラスや小物はまた作り直しなんだろうか。想像しただけでちょっとした軽いホラーである。
閑話休題。
緋村剣心 vs 雪代縁の目が離せない壮絶な戦いには、瞬きするのも忘れて見入った。
ただ、敵の絶望具合で言えば、やはり前作の志々雄真実戦に軍配が上がるだろう。
なにしろあの包帯男は、緋村剣心、相楽左之助、斎藤一、四乃森蒼紫の四人がかりを平然と相手どったのである。志々雄真実に比べれば、若干戦闘面での絶望さが弱い。
とはいえ、アクションはキレッキレ、飛んで跳ねて縦横無尽に刃をぶつけ合う二人の動きには度肝を抜かれる。
そして真剣佑の上腕筋がエグい。めちゃくちゃ鍛えられとる。
剣心への怨嗟を叫ぶ縁、かつて愛した妻の弟を止めようとする剣心。
二人のシーンは、見ていて鳥肌が立った。
ラスト
巴の日記から、姉の本当の想いを知り、涙を流す縁のシーンが印象的。
次のThe Beginningで、巴が縁を「少し思い込みの激しい子」と表現するが、なるほどこういうことだったんだなと得心がいく。もし、縁がもっとはやくに姉の剣心への気持ちに気が付けていたのなら、こんな悲劇は起こらなかっただろう。
ラストは、剣心と薫が、巴の墓前に立つ場面である。
巴への感謝の気持ち、そしてさよならを告げる剣心。
これで物語が終わってしまうのかと思うと、さみしさを感じた。
上映終了後、すぐにでもネットカフェでるろうに剣心の漫画を読みたい気に駆られた(23時過ぎてたのでその日はあきらめて帰った)。
おわりに
最高の一言に尽きる。
僕は基本、映画は観れればいいや、という感じなので、たいていはテレビで放送されるのを待ってすませてしまうんだけど、るろうに剣心に関しては、大画面で大迫力の映画館で観れてよかった作品だ。
文字数が思った以上に膨れ上がったので、The Beginningの感想は後半へ続く。
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