映画『科捜研の女 ー劇場版ー』感想/世界同時多発“科学者”不審死事件に科捜研が挑む! シリーズ集大成!

くらし

人気テレビドラマ「科捜研の女」がついに映画に!

歴史ある京都で起こる事件を科学捜査の視点から解き明かしていくサスペンスドラマ。そんな「科捜研の女」初回のテレビ放送日は1999年。そこからほぼ毎年のように回を重ね、最新シリーズ(2020年放送)はなんと20シーズン目! とんでもない長寿番組ですね。

めでたくスクリーンに登場するということで、2021年9月3日(金曜日)である公開日当日に観に行ってきました。

監督は兼﨑涼介氏。脚本を手掛けるのは、あの『名探偵コナン 緋色の弾丸』でもお馴染みの櫻井武晴氏です!

さっそく映画の感想を載せていきたいと思います。

以下の記事にはネタバレが含まれています。折りたたんで隠してはいますが、ご注意ください!

あらすじ

洛北医科大学で、女性教授が転落死する。偶然、転落を目撃した風丘教授は、「助けて、殺される」という声を耳にしていた。

亡くなった石川教授の研究室の事情聴取から、彼女が帝政大学の加賀野教授に会いに行っていたことが判明する。東京に向かった土門と蒲原は、そこで石川教授のほかにもう二人同行者がいたことを知る。そのうちの一人は、京都医科歯科大学の斎藤朗准教授だった。

彼の居場所を探し、先斗町に向かった土門たちの前で、斎藤准教授が転落死する。偶然その場に居合わせた目撃者の話によると、彼もまた落ちる直前に「助けて」と言っていた。

石川教授と斎藤准教授は、ウイルス学と細菌学をそれぞれ研究しており、さらに過去には共同研究を行ったこともあるという。転落や遺体の状況にも共通点が見られ、マリコたちは二件が殺人事件ではないかと疑う。

怪しいのは、二人が亡くなる数日前に会っていた加賀野教授。だが彼にはどちらの事件の時もアリバイがあった。

二人の遺留品に同じ液体が付着しており、成分から保存液だと推察する。

加賀野教授の研究室にある保存液ではないかと疑い、土門たちは保存液の任意提出を半ば強引に求める。ところがその強引な捜査を前に、加賀野が京都府警の横暴をマスコミに告発。科捜研や土門刑事は監察対象となってしまう。

幸い、窮地を脱することには成功したが、その矢先、カナダの科学捜査センター勤務の研究員であり元科捜研職員・相馬涼から連絡が。トロントやロンドンでも、研究者がそれぞれ転落死しているというのだ。

マリコたちは、加賀野が研究しているダイエット菌が殺人の原因になったのではないかと疑う。しかし、ダイエット菌を半年以上摂取していた被験者・森奈々枝の体調に一切問題がないことを加賀野教授に指摘され、マリコは言葉に詰まる。

捜査が暗礁に乗りかけるが、ダイエット菌が胃液と反応することで毒素がなくなる可能性に考えが至る。カプセルに入れて経口摂取したダイエット菌は無害でも、直接鼻や目の粘膜に付着すれば、毒性は消えずに残るのではないか。その毒性が、高所から飛び降りるという異常行動を誘発させたのだとマリコたちは考える。

状況証拠を加賀野教授にぶつけるマリコと土門。

しかし、それはダイエット菌に毒性があるということを証明しただけにすぎず、殺人の証拠にはならないと一蹴される。

その後、帰宅途中のマリコの前で謎の風船が破裂、中に含まれていた液体を浴びてしまう。

仕事を休んだマリコは、夜、電話で何者かに呼び出される。そして、指定された場所に向かったマリコは、高所から飛び降りる――!

だがそれは、犯人を誘き出すための罠だった。

逃げ出そうとする犯人を確保する土門と蒲原。

犯人は、被験者である森奈々枝だった。

彼女はダイエット菌カプセルを飲むふりをして回収、自分で用意した保存液に移し替えた。このとき、カプセルについていた奈々枝の唾液が、微粒物として保存液に解け、痕跡が残ってしまった。

四人を殺した動機は加賀野教授の研究を守るためだった。四人は加賀野教授の論文の再現実験を行うことにより、ダイエット菌に毒性があることに気づいた。加賀野教授は毒性をなくすための研究も行なっていたが、その研究結果が発表される前に毒性の存在を世間に知られてしまえば、批判は免れない。そうなることを防ぐために、口封じのために殺したのだ。

人類のための研究だと言う加賀野。

ところがその直後、森奈々枝が突如苦しみ出してしまう。無害だったはずなのになぜ――?

調べた結果、長期間ダイエット菌を摂取し続けたことで、胃液に強いダイエット菌に進化していたためだった。

こうして世界を騒然とさせた一連の事件は無事に解決したのだった。

登場人物

科捜研

榊マリコ……京都府警科学捜査研究所(=科捜研)職員。科学捜査が人生のすべてと言っても過言ではない。気になることがあればとことん調べぬく行動力を持つ。目力が強い
日野和正……科捜研所長。文書担当であり、筆跡鑑定や下足痕の鑑定を行う。いつもマリコに振り回され心労が絶えない。
宇佐美裕也……科捜研職員。科学担当。ジェントルマン。彼の淹れるお茶はおいしい。
橋口呂太……科捜研職員。物理担当。少し子どもっぽいところを持つ。風丘先生の持ってくる菓子をいつも期待して待っている。
涌田亜美……科捜研職員。映像データ担当。よく呂太の言動にツッコミを入れている

刑事部

土門薫……京都府警捜査一課刑事。マリコと二人三脚でいくつもの事件を解決してきている。
蒲原勇樹……京都府警捜査一課刑事。土門の部下。

洛北医科大学

風丘早月……法医学教授であり、解剖医。シングルマザー。毎度「まいどー!」と言いながら菓子と解剖書を持って科捜研にやってくる。

感想

ドラマ未視聴でも楽しめる!

人気テレビドラマの映画化ということで、設定はドラマから引き継がれています。そのためテレビドラマを見ていた方がよりいっそう楽しめるのはもちろんですが、未視聴でも十分楽しめる映画となっています。

まず事件そのものが面白い。

京都を皮切りにロンドン、トロントと世界規模で起こる科学者連続転落死事件。

争った形跡なし、遺体から薬物反応もなし、下足痕は被害者のものだけ、と状況だけ見れば明らかに事故または自殺です。それでも殺人事件の可能性が浮上したのは、「助けて、殺される」と被害者が口にするのを聞いたから。

不可解な転落死は本当に殺人事件なのか。

もし殺人だとしたら、犯人はどうやって殺したのか。

現場には被害者しかいませんでした。そして被害者の足跡を調べても、自分の意思で走って落ちたとしか見えません。もし殺人だとしたら、犯人は催眠術を使ったとしか思えない……。

不可解な犯行の手口、そもそも事件なのかどうかをどうやって判断するのか。科学の力を武器にひとつずつ可能性を検証し、事件の核心に迫っていく過程は見ていてとても面白かったです。佐々木蔵之介氏が演じる加賀野教授との攻防戦も、手に汗握る緊迫感があって前のめりになりながら見入ってしまいました。

歴代シリーズの登場人物大集合

本映画は、これまでの「科捜研の女」シリーズで登場した人物が揃い踏みとなります。

ドラマシリーズを見ている科捜研の女ファンの方にとっては、一番の見どころと言えるでしょう。

初の映画でドラマの歴代登場人物が一同に出演するというのは、同じテレビ朝日系列のドラマで映画化された『相棒』と似ていますね。

映画の冒頭では、科捜研職員が家族と話すシーンが描かれています。ドラマではプライベートシーンがほとんどないので新鮮に映りました。

自分はここ数年分のドラマは欠かさず見てきましたが、シーズンの前半はほぼ未視聴です。別れた夫とか前の前の所長とかプロポーズを断られた男とか正直ぜんぜん知りませんでしたが、人物関係は映画を見ていればなんとなくわかってくるので、それほど困りませんでした。

科捜研のメンバーがマリコの無茶振りに振り回されるのは相変わらず。

いつでも頼れよ、と言った元旦那に、わずか15分後に頼ったときは吹き出しそうになりました。はやすぎだろー、と元旦那は言っていましたが、同意見です。

意外な登場人物

エンディングロールを見てたら福山潤とあって、えっ、て驚きました。

あとで調べたら、アナウンサー役だったそう。思い返せば声が似ていたような気が……。

いやそれにしても、なぜ出てる。アニメ声優じゃなかったのか。

最後に

難しい専門用語も登場しますが、登場人物が簡単に解説してくるので混乱することはありません。

音楽はドラマで馴染みのものが多いですが、映画らしく壮大な曲調になっていました。やっぱり映画館で聞くと感じ方がぜんぜん違いますね。

ただいくつか気になる点もちらほら。

一番はやはり、被害者を犯人が呼び出す手段でしょうか。電話での呼び出し方はちょっと雑かな。そんな簡単にほいほい来るのだろうか、と疑問でした。

殺害方法にしても、あんな怪しい液体をかけられて被害者は検査もなにもしなかったのかと首を傾げざるをえません。

物語終盤、予告編でも描かれていたとおり、マリコが液体を浴び、高所から飛び降りるシーンがあります。予告編を見た時から、犯人を誘き寄せるための罠だろー、下にマットでも敷いてあるんだろー、と思っていましたが、案の定予想通りでした。犯人をおびき出すためなら飛び降りまではしなくてもいいんじゃないか? 現場に現れた時点で確保さえすれば。そもそも唾液が検出されてるんだし。と思いながら観ていました。

ツッコミどころがないわけではないですが、マイナス点を補って余りある魅力の感じられた作品でした。

ドラマを観ている分、少し贔屓目になっているかもしれませんが、総じて面白い作品でした。

皆が自分の得意分野を駆使し一丸となり事件解決に動く様は、見ていて気持ちがいい。

緊迫感のある108分間でした。


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