API呼び出しの制限回数を超えました
7月1日の深夜、突如としてTwitterの投稿が閲覧できなくなった。不具合かと思いきや、Twitter側による仕様変更らしい。
なんの前触れもなしに、閲覧できるツイート数が制限されたのだ。
この閲覧制限を受け、ユーザーの不満は一気に爆発し、「Twitter終わり」「Twitterサ終」といった言葉がトレンド入りを果たした。
CEO交代に伴い、これまでも様々な改革が行われてきたTwitter。仕様が変わるたびにユーザーは不信感を強めていたが、まさかツイートの閲覧回数まで制限されるようになるとは。いよいよのっぴきならないところまできてしまったようだ。
自由にTwitterを見ることができなくなり、Twitterを心の拠り所としていた人々は一夜にして地獄に突き落とされた。まさにTwitter事変。
どうしてこうなった。
イーロン・マスク氏のツイート
閲覧回数制限に関する、イーロン・マスク氏のツイートまとめ。
7月2日 午前2:01
To address extreme levels of data scraping & system manipulation, we’ve applied the following temporary limits:
— Elon Musk (@elonmusk) July 1, 2023
– Verified accounts are limited to reading 6000 posts/day
– Unverified accounts to 600 posts/day
– New unverified accounts to 300/day
極端なレベルのデータスクレイピングとシステム操作に対処するために、次の一時的な制限を適用しました。
– 認証済みアカウントは、1 日あたり 6,000 件の投稿を閲覧できるように制限されています
– 未認証アカウントは 1 日あたり 600 投稿まで
– 新しい未認証アカウントは 1 日あたり 300 件まで
7月2日 午前3:46
Rate limits increasing soon to 8000 for verified, 800 for unverified & 400 for new unverified https://t.co/fuRcJLifTn
— Elon Musk (@elonmusk) July 1, 2023
レート制限はまもなく、認証済みの場合は8000 、未認証の場合は800 、新しい未認証の場合は 400 に増加します
7月2日 午前6:49
Now to 10k, 1k & 0.5k
— Elon Musk (@elonmusk) July 1, 2023
現在、(認証済みは)1万、(未認証は)1000、(新しい未認証は)500まで(閲覧可能数が増加)。
7月2日 午後1:45
you awake from a deep trance,
— Elon Musk (@elonmusk) July 2, 2023
step away from the phone
to see your friends & family
あなたは深いトランス状態から目覚め、
電話から離れる
友達や家族に会うために
パロディ
画像が本家とまったく同じものであるためややこしいが、以下のツイートはイーロン・マスク氏のパロディ、すなわち偽物が投稿したもの。
The reason I set a “View Limit” is because we are all Twitter addicts and need to go outside.
— Elon Musk (Parody) (@ElonMuskAOC) July 1, 2023
I’m doing a good deed for the world here.
Also, that’s another view you just used.
私が「閲覧制限」を設定した理由は、私たちは皆 Twitter 中毒者なので、外に出る必要があるからです。
私はここで世界のために善行を行っています。
また、これは先ほど使用した別のビューです。
所感
イーロン・マスク氏のツイートによると、今回の閲覧回数の制限は、極端なレベルのデータスクレイピングとシステム操作に対処するためのものらしい。一時的なものだと明言しているから、そのうち時間が経てばもとに戻るはずだ。
とはいえ、このツイート内容をどこまで信じていいかはわからない。「Twitterを不自由なく使いたければ課金しろ」という本音を隠すための発言という可能性だって十分考えられる。
「あなたは深いトランス状態から目覚め……」云々といったツイートを見ると、SNS依存への警鐘として制限をかけた疑惑も浮上する。疑い出したらきりがない。
真意なんて確かめようがないのだから、推移を黙って見守り続けるしかないだろう。
よくも悪くも、今日の社会はTwitterに依存している。個人だけでなく、企業や自治体までもがTwitterに登録し、自社の製品やサービスを宣伝している。災害時には、連絡手段や情報収集の手段としても活躍する。
これまで無料で使えていたことが驚きなほど、Twitterは便利なツールだ。無料だったものが有料になることへの抵抗感は強いものの、サービスの内容を考えれば課金への流れは当然のようにも思える。
ただ、もし課金が前提のSNSになったら、ユーザー数は減るに違いない。
誰もが自由に使えていたからこそ、Twitterには闇鍋のような面白さがあった。無職の人たちがたくましく生きている姿も、尖った趣味を持つ人たちの姿も、ほどよい距離を保ちながら見守ることができた。
お金が必要になったら、きっとそういう人たちは数を減らすだろう。そうなったら、はたしてTwitterを課金してまで見続ける意義はあるのだろうか。
閲覧回数が制限されたことをきっかけに、様々なSNSに移行する動きが強まっている。
注目度が高いSNSのひとつに、Misskeyがある。ただ、10人以下のスタッフで運営されているSNSということで、急激なユーザー数の増加に対応が追い付いていない。登録に必要な招待コードの転売まで始まっているというカオスっぷりだ。
【お知らせ】
— Misskey.io (@misskey_io) July 2, 2023
ユーザー急増のため、一時的に新規登録を停止させて頂きます。
ご迷惑をおかけしますが、今しばらくお待ちくださいますようお願い申し上げます。
代替先のSNSはいくつかある。けれど、そもそもサービスが異なる以上、Twitterの混沌とした雰囲気を別のSNSで味わえるわけないし、Twitterのノリを他サービスに求めるのも筋違いだろう。
結局、Twitterが沈みゆく船だとしても、しがみつき続けることしかできないのかもしれない。
移行先SNS候補
最後に
たった数日、Twitterの閲覧回数が制限されただけで、ユーザーの間に激震が走った。社会のTwitterへの依存度があらわになった瞬間だ。
Twitterは今後どうなるのか。不安定なTwitterにしがみつきながら、これからの動向に注目していきたい。
7/5追記
7月5日午前2時16分、現CEOのリンダ・ヤッカリーノ氏が、閲覧制限に対する弁明ツイートを投稿した。
When you have a mission like Twitter — you need to make big moves to keep strengthening the platform. This work is meaningful and on-going. Here’s more insight on our work to ensure the authenticity of our user base. 👇 https://t.co/5FzBa3636Z
— Linda Yaccarino (@lindayacc) July 4, 2023
Twitter –のような使命がある場合、プラットフォームを強化し続けるために大きな行動を起こす必要があります。この仕事は意味があり、現在も続いています。ここでは、ユーザー ベースの信頼性を確保するための取り組みについて詳しく説明します。
以下は、リンダ・ヤッカリーノ氏が引用した、ツイッタービジネスアカウントのツイートの日本語版。
ここ数日間、私たちはTwitterをすべての人にとって素晴らしい場所にし続けるための措置を講じてまいりました。取り組みの概要とその理由について、こちらの記事にて説明しております。ご理解を賜りますよう、何卒よろしくお願い致します👇https://t.co/bcDNjjJSD5
— Twitter マーケティング (@TwitterMktgJP) July 5, 2023
リンク先の最新情報によると、
- 事前連絡なしに閲覧制限を行ったのは、悪意のある行為からTwitterを守るため(事前に通知してしまうと、対策されてしまう恐れがある)
- この制限はTwitter利用者のごく一部だけに影響を及ぼしている
- 広告への影響は最小限に抑えられている
とのこと。ごく一部……?
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