『退出ゲーム』初野晴(著)感想

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書評

どうも、ライムです。

本日紹介するのは、初野晴氏の『退出ゲーム』です。

※画像のカバーデザインは古いものです。現在は変更されています。

「わたしはこんな三角関係をぜったいに認めない」―穂村チカ、廃部寸前の弱小吹奏楽部のフルート奏者。上条ハルタ、チカの幼なじみのホルン奏者。音楽教師・草壁先生の指導のもと、吹奏楽の“甲子園”普門館を夢見る2人に、難題がふりかかる。化学部から盗まれた劇薬の行方、六面全部が白いルービックキューブの謎、演劇部との即興劇対決…。2人の推理が冴える、青春ミステリの決定版、“ハルチカ”シリーズ第1弾。


「BOOK」データベースより

2016年に『ハルチカ〜ハルタとチカは青春する〜』というタイトルでアニメ化、2017年には、『ハルチカ』のタイトルで実写映画化もされました(主演は、Sexy Zoneの佐藤勝利さんと、橋本環奈さんでした)。いまでは<ハルチカ>シリーズとして人気を博しています。

あらすじ

『退出ゲーム』は、全4話からなる短編集です。

舞台は清水南高校。

主な登場人物は3人。

フルート奏者の穂村千夏

ホルン奏者の上条春太

そして、そんな2人を温かく見守る吹奏楽部顧問、草壁信二郎です。

おおまかな流れとしては、廃部寸前の弱小吹奏楽部をなんとか立て直そうと、主人公たちが仲間集めに奔走し、吹奏楽の甲子園「普門館」を目指す物語です。

しかし、仲間集めはそう簡単にいくはずもなく、主人公たちの前に次々と難題がふりかかります。彼らは皆、なんらかの悩みを抱えている。その問題を主人公たちが解決することで、徐々に吹奏楽部の仲間たちを増やしていきます。

以下、各話の簡単なあらすじを載せておきますね。

結晶泥棒

文化祭を直前に、高校の掲示板に脅迫状が貼られた。一昨年から続くもので、例年は単なるいたずらで片づけられていたが、今年は様子が異なっていた。化学部から、劇薬となる硫酸銅の結晶が盗まれてしまったのだ。文化祭中止を回避するため、チカはとある理由から引きこもっていた幼馴染のハルタを頼り、犯人捜しを開始する。

クロスキューブ

部員数が少なすぎて、コンクール出場すらままならない状態の中、2人は、オーボエ奏者の成島美代子に目をつける。吹奏楽部への入部を勧めるが、本人は取り付く島もない。それでもめげずに説得を続けていると、やがて彼女からひとつのルービックキューブを渡される。「これだけがどうしても解けないの」それは六面すべてが白色という理不尽なパズルだった――。

退出ゲーム

チカたちが次に目をつけたのは、サックス奏者のマレン・セイ。しかし、彼を吹奏楽部に引き入れようとする2人の前に演劇部部長・名越俊也が立ちはだかる。マレンの居場所をめぐり、なぜか演劇部と即興劇対決をすることに。設定された役柄になりきりながら制限時間内にステージから退出する、「退出ゲーム」と名打たれた劇は、やがて混迷を極めていき――。

エレファンツ・ブレス

学校の独裁者・生徒会長から特命を与えられたチカ。内容は、発明部が発明した、本人が見たい夢を事前に操作して見られる「オモイデマクラ」の購入者を見つけること。購入者はすぐに見つかったものの、今度はエレファンツ・ブレスと呼ばれる色の謎を解くようお願いされてしまう。依頼を引き受けるチカとハルタだったが、その先には想像もしていなかった真実が待ち受けていた。

恋に部活に推理

私が本書を知ったきっかけは、とある小説誌に載っていたこの本の記事を読んだからです。

青春ミステリという大好きなジャンルであったこともそうですが、それよりなにより私が気になったのは、六面すべてが白いルービックキューブの謎でした。頭の固い私が、このパズルの解決方法など思いつくはずもなく、いったいどうすれば解くことができるのだろうと、夜も眠れないほど気になってしまいました。

本作品では、ミステリや青春要素に加え、恋愛要素も入っています。

幼馴染のチカとハルタですが、なんとこの2人、吹奏楽部顧問の草壁先生のことが好きなんです笑。

図にしてみると、「♀→♂←♂」という奇妙な三角関係。草壁先生を巡る、チカとハルタのあほらしくも必死な攻防がこれまた笑えます。

このように、本書は、様々な魅力がこれでもかというぐらい、ぎゅっと詰まった作品です。

ひとつ注意する点として、謎を解くには知識が必要となってくるので、自力で真相にたどり着くのはちょっと難しいかもしれません。

ただ、解決不可能に思えた謎がきれいに氷解するときの快感は、なにものにも代えがたいものですので、肩の力を抜いてぜひお楽しみください。

シリアスなシーンもありますが、読後感は非常に爽やかです。

こんな青春を送りたかった―! と思うこと間違いなしです!

最後に

意外性に富んだ謎解きはもちろんのこと、個性豊かなキャラクターたちのくすりと笑えるやり取りもふんだんに散りばめられており、非常に楽しく読める一冊です!

堅苦しい表現がほとんどないので、小説が苦手な人にとっても、読みやすい内容だと思います。

仲間と一緒に困難を乗り越えていく彼女たちの姿を、ぜひその目で確かめてみてください!

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