2023年7月に読んだ本まとめ

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書評

こんにちは、ライムです。相変わらずゲーム三昧の日々を送っています。

今回は、2023年7月に読んだ本の紹介です。最近になって再び身体が活字を求め始めたので、先月はゲームの合間に4冊ほど読み終えました。

これでようやく書評ブログらしいことができる……!

本当は一冊ずつ丁寧に紹介していきたいところだけど、自分は感想とか書評とかを言語化するのが苦手なため、ひとつの記事にまとめての紹介になります。

探偵の探偵 桐嶋颯太の鍵

以前からハマっている作家さん。展開がややパターン化されているように感じるものの、逆に言えば安定した面白さがある。とはいえ、内容はかなりエグい。

アクションとバイオレンスのフルコースで、ハードボイルドに近い作風。タイトルに「探偵」と入っているけど、いわゆるミステリではない。

敵は膨大な人員と巨額の資金を持つ大企業のトップ。対して主人公は、中堅調査会社に所属する一探偵。優れた判断力と推理力を武器に少しずつ巨悪を追い詰めていく様子はまさに綱渡り状態で、読んでいる間ハラハラさせられっぱなしだった。

時事ネタを交えつつ怒涛のスピードで進む物語は、一気読み必至。ただし、ハードな内容なので読み進めるにはある程度の体力が必要かもしれない。

本書は『探偵の探偵』のスピンオフ作品。単体でも読み応え十分だけど、シリーズに触れているとより楽しめる。

メタバースと経済の未来

昔と比べて最近は親書を読むことが多い。手ごろなページ数でいろんな知識に触れることができるからだ。知的好奇心を満たしたい人間にはもってこいと言える。学んだ知識をいつ役立てられるかはわからないけど。

本書はメタバースを経済の面から読み解いた一冊である。

現実世界における土地や資源は有限であり、使い続ければいつかは底をつく。それに対して、デジタル空間は基本的に無限だ。土地の制限もなければ、移動の制限もない。限りなく少ない資本で、たくさんの商品を生み出すことができる。

また、仮想空間では生まれもった身体や性に縛られることもない。自分の望む姿で生きることが叶う。

そう考えると、メタバース(オンライン仮想空間)が僕たちの生活に深く浸透していく流れは避けられないのかもしれない。

物質に左右される現実社会での経済活動と、デジタル上の仮想空間での経済活動はまるで性質が違う。AIの台頭で人間の労働環境は大きく変わりつつあるが、メタバースの広がりは、それとはまた違った変化を起こすだろう。

現実社会をデジタル技術で拡張するスマート社会と、現実社会を捨ててデジタル空間を拡張するメタバース。このふたつが双対的に成長した先に待つ社会は、はたしてユートピアかディストピアか。

メタバース進化論――仮想現実の荒野に芽吹く「解放」と「創造」の新世界

メタバース関連2冊目。本来ならこっちを先に読むべきだったかもしれない。

メタバースとはどんな世界なのか、とりあえずこの本を読んでおけばだいたいわかる。画像も豊富で読みやすい。

メタバースというと、単なるアバター同士のコミュニケーションの場、という認識しかなかったが、読み進めるうち考えを改めさせられた。町をまるごとデジタル空間で再現したり、学術交流会の場を設けたりと、とにかく想像以上に利用できる分野が広い。いやー、メタバースなめてた。

とはいえ、現実世界の身体を脱ぎ捨て、仮想空間でアバターという新たな肉体を得て活動する、という感覚は、いまいちまだピンとこない。

VR飲み会はまだわかる。少し前にはやったZoom飲み会のパワーアップバージョンという認識でだいたい合ってるはずだ。みんなで一緒に寝るVR睡眠から雲行きが怪しくなり、仮想空間内での色事となると、もはや未知の領域である。

こればかりは実際に体験してみないとわからない世界だろう。

いまはまだメタバースを楽しむためのハードルが少し高いが、技術が進歩することで、いずれは誰もが気軽に、それこそスマホをいじるぐらいの手軽さで利用できるようになると思われる。

そうなったら、いつか現実世界で生きる人のほうが少数派になる瞬間が訪れるかもしれない。

脳は意外とタフである

政治信条は生まれつき決まっており、脳の特定部位を調べるだけで保守派かリベラル派かわかる――しょっぱなからとんでもない事実を突きつけてくる本書は、脳やAI、遺伝子、薬などに関する科学的知見がまとめられた一冊。

なんで薬? と思ったら、著者は薬学部教授らしい。

『寝る脳は風邪をひかない』の新書版であるが、どうしてタイトルが変わったかは知らない。

もともとは雑誌に連載された巻頭エッセイで、ひとつのことがらがおおよそ見開き2ページの中に簡潔にまとめられている。様々なテーマが広く浅く紹介されているので、脳科学を知る取っ掛かりとしてもおすすめ。

特に興味深かったのは、人を含めた多くの動物は、労せず手に入れたものよりも対価を払って手に入れたものを好むというもの(コントラフリーローディング効果と言うらしい)。必ずしも「左団扇で暮らす生活」が幸せだとは限らないということだ。なるほど、深い。

当たり前だと思っていたことが実はそうでなかったと思い知らされる場面が何度もあり、知的好奇心が刺激された。

脳の特徴を知ることは、普段の生活や仕事にも役立ちそう。

コメント

  1. 匿名 より:

    私は最近今更伊坂さんの殺し屋シリーズを読みました
    やはり面白いですね…
    次はA Xを読みたいと思います

  2. ライム ライム より:

    伊坂幸太郎さんの本は自分もよく読みます!
    伏線の回収が秀逸で、読みだすと一気に引き込まれますよね。

  3. 匿名 より:

    A Xも読み終わりました
    やはり天才ですね
    徹夜しました

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