劇場版『名探偵コナン 100万ドルの五稜星』感想

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映画

春の風物詩といえば……そう、コナン映画だ! 季節イベントに疎いぼくだが、名探偵コナンの映画は毎年必ずチェックしている。

アクション8割、謎解き2割(体感)のミステリ映画! これを見なきゃ新年度がはじまらない! と言いつつ、前回は公開からだいぶ経ってから劇場に足を運んだため、それまでネタバレを避けるのに苦労した。今回は昨年の反省を活かし、公開初日に見てきた。

シリーズ27作目となる『名探偵コナン 100万ドルの五稜星みちしるべ』。興奮が冷めぬうちに感想を綴っていこうと思う。なお、重大なネタバレは避けたつもりだが、こまごまとしたネタバレはあるので、読み進めるときは注意してほしい。

ストーリー

北海道・函館にある斧江おのえ財閥の収蔵庫に、怪盗キッドからの予告状が届いた。今回キッドが狙うのは、幕末を生きた新選組副長・土方歳三にまつわる日本刀だという。ビッグジュエルを追い求めるキッドが、なぜ刀を狙うのか…? 一方、西の名探偵・服部平次とコナン達も、函館で開催される剣道大会の為に現地を訪れており、犯行予告当日、平次がキッドの変装を見事見破り追い詰めるが…!?

時を同じくして、胸に十文字の切り傷がつけられた遺体が函館倉庫街で見つかる。捜査線上に浮かび上がったのは、“死の商人”と呼ばれ、アジア一帯で武器商人として活動する日系アメリカ人の男。彼は戦時中の軍需産業に深くかかわっていた斧江家初代当主が函館のどこかに隠したとされるお宝を探していた。それは、当時、日本の敗色濃厚だった戦況を一変させるほどの強力な兵器だという噂も…そして、そのお宝とキッドが狙う刀はどうやら関係があるようで、刀を狙うキッドに対し、謎の“剣士”の影が迫り…

天下分け目のお宝争奪バトルミステリー、今、その幕が上がる——!

劇場版『名探偵コナン 100万ドルの五稜星』公式サイト(https://www.conan-movie.jp/2024/story.html)2024/4/12

感想

本作の目玉はなんといっても、北海道を舞台にしたお宝をめぐる謎解きと、平次×和葉のラブコメのふたつだろう。

観賞前は「バトルものか……推理そっちのけでチャンバラばかりしていたらちょっと嫌だな」と思っていたけど、心配は杞憂だった。

謎解きあり、アクションあり、恋愛あり、伏線あり。さまざまな要素がうまくかみ合っており、まるでジェットコースターに乗っているような気分だった。

レギュラー陣の恋愛模様を随所に織り込みながら、北海道の地理や歴史を絡めた推理パートを2時間の枠の中におさめたのはすごすぎる。意外な人物も登場し、最後まで中だるみすることなく観終えることができた。

コナン映画はやっぱり楽しい!

序盤から息もつかせぬ展開

映画は幕末、土方歳三の華麗な剣さばきからスタート。

津田健次郎の渋い声に聞きほれていると、舞台は現代、斧江家の屋敷へ移る。なんと、すでに怪盗キッドから犯行予告を受け、厳重な警備が敷かれている最中だった。開始早々、いきなりのクライマックスである。かつてないほどのハイテンポだ。コナンたちはいつ北海道に来たんだ?

うっかりトラックを邸内へ入れてしまうほど警備がゆるゆるだったり、逃げようとするキッドに平次が刀を抜いて切りかかったり、いろいろツッコミどころはあるけれど、勢いがあってなかなかおもしろい。序盤からギア全開だ。

波乱万丈の夜が明けて物語は日常パートに入るが、その中でも目を引くシーンは多い。

居合道の達人にして松岡禎丞が演じるイケメン剣士が登場、そしてまさかの和葉に一目ぼれ!?

手ごわそうなライバルの登場に、「服部に見せてやりてー」とにやにやを隠せないコナン。

そうだよな、普通に公安やFBIが絡む事件ばかりに首を突っ込んでいるからすっかり忘れそうになるけど、コナン(新一)だって高校生だもんな。普通なら勉強や部活、恋愛を楽しむ時期だ。血生臭い事件よりも他人の恋路に興味を示すべきだろう。

安室さんや赤井さんといった、できる大人との絡みもおもしろいけど、平次が登場したときの高校生らしさを取り戻す瞬間も好きだ。なんていうか、ほっこりする。

四つ巴のお宝争奪戦

そんな中、埠頭で男性の遺体が発見される。そして捜査線上に浮かぶ、武器商人。完全な悪人顔だ

コナンでは犯人だと見抜かれたとたん形相が別人のように変わる人が多いが、この武器商人は最初から犯人顔である。もっと隠せよ。

きな臭さが漂う中、いよいよ本格的なお宝争奪戦がスタートする。

謎めいた6本の刀。そして斧江家初代当主が隠したとされるお宝。ほかにも暗号やら宝の地図やら、冒険心をくすぐる小道具が目白押しだ。

宝をめぐって動き出す、財閥当主、死の商人、謎の剣士、そして怪盗キッド。各々が宝の在り処を探ろうと、あの手この手で相手を出し抜こうとするシーンはめっちゃわくわくした。こういう複数の勢力がしのぎを削り合うストーリーはたまらない

キッド一強でないのもポイントが高い。街中で拳銃をちゅうちょなくぶっ放す武器商人や、平次に勝るとも劣らない剣の腕を持つ黒いキツネ面の剣士の存在感たるや。

最後はどうせコナンたちが宝の在り処を突き止めるんだろうな、と思いつつ、強大な敵をどうやって退けるのか予測がつかないからハラハラしっぱなしだった

平次と和葉の恋の行方は?

銃弾飛び交う争奪戦と並行して、平次と和葉の恋愛模様も描かれる。

北海道の告白スポットを探す平次、持ち前の明るさでうっかりイケメン剣士を落としてしまう和葉、ふたりの仲を後押ししようとする蘭、ふたりの恋路を邪魔しようとヘリで上空を飛び回る紅葉

こちらもなかなかカオスだ。どうなるか先が見えない。

個人的に好きなシーンは、蘭から告白場所として函館山をおすすめされたときの平次のセリフだ。

「ビッグベンより上か?」と聞く平次のセリフに思わず笑ってしまった。新一に対抗心を燃やし、告白場所で勝とうとするところが彼らしい。さすがはライバル。

その他もろもろ

  • 和室が似合わない黒の組織(オープニング映像)
  • 北海道の観光名所案内役に抜擢された紅葉
  • 平次を見つけたかったら告白スポットをまわるより事件現場探したほうがはやいぞ、たぶん……
  • 武闘派蘭姉ちゃんは鳴りを潜め、今回は友人の恋を応援したい蘭姉ちゃん
  • 一度は登場させないと気がすまない爆弾
  • 爆発の規模は控えめ
  • 爆発の被害額もおそらく控えめ
  • 「らああああああん!」の出番なし
  • ヒロインが危険な目にあわないのはいいことだ
  • 前回で活躍しすぎたせいか、哀ちゃんは裏方
  • コナンに北海道まで呼び出される阿笠博士
  • ぽっちゃり体型のくせにフットワークが軽い
  • 警視庁組の出番なし
  • また白鳥大橋を見に来ればよかったのに
  • 終盤のぼく「誰だよ、このスキンヘッド」
  • 平次、そこは立つところちゃう
  • あれこの声優、本編に登場していたっけ……?(エンドロールを見ながら)

最後に

エンドロールが終わるまで、席を立つことなかれ

コメント

  1. 二足歩行食パン より:

    コナンはほぼ見たことないな

  2. フライドチキン より:

    今回のコナン楽しみです。

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