祝!無職5年目!

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無職生活

 タイトル詐欺をしてしまった。無職5年目なんてぜんぜんうれしくない。なにが祝だ! 呪の間違いだろ!

 おそろしいことに、社会をドロップアウトしてから今日で4年の歳月が経過した。こんにちは、無職5年生です!

 学生のころは、まさか大人になってからこんな人生を歩むことになるとは夢にも思っていなかった。いや、集団生活になじめずにいたから、予感ぐらいはあったかもしれない。

 このまえ久しぶりに会った友人に「4年間働かずに生きている」と伝えたら、ひどく驚かれた。収入がない状態で4年も生き続けることは、彼からすると信じがたい偉業のようだ。そうなのだろうか? 仮にそうだとしても、あまり誇れることではないような気がする。

 ぼくの特技は働かずに4年間生活できることです! ……無理だな。そんなことを履歴書に書こうものなら白い目で見られるのがオチだ。

 ちなみにその友人は、ぼくが無職の間に結婚して子供ができて転職もしていた。今年度から東京勤務らしい。なんなんだ! 人生のステージが違いすぎるぞ! こっちなんて、東京に行きてーなーと夢見ながら、なにも行動を起こさないまま田舎の片隅でYouTubeをぼんやり眺めているダメ人間なのに!

 4年間の無職生活のなかで、ぼくは予想よりもたくさんのものを犠牲にしてきてしまったようだ。たぶんもう取り返しのつかないところまできている。どうしよう? どうしようもない。

 公務員を退職した当時の記事を読み返したら、「このまま公務員として働き続けても、人生に満足できるビジョンが思い描けなかった」「組織に属さないで生きてみようと決めた」とか書いてあって笑ってしまった。そうか、あのときは仕事を辞めたら人生が大きく変わると信じていたんだな……

 残念ながら、人生はそう簡単に好転しない。というか、当時だって薄々は気づいていたはずだ。ぼくのような面倒くさがりで社交性に欠けるような人間が、敷かれたレールを外れたらどうなるか。自分で自分を律していくような生き方ができるほど意志の強い人間でないことは、二十年以上生きていればわかる。フリーランスのような働き方が、自分に向いているはずがない。

 文章で食べていけたら、と一時期思ったこともあるけど、あきらめた。企業に自分を売り込むバイタリティなんてないし、かといって声がかかるほど突出した文章スキルもおもしろいエピソードも持っていない。

 当時想像していた組織に属さないで生きていく姿とは大幅にかけ離れた現実が、いまここにある。ただひたすら貯金を切り崩して生きる日々。そのへんに生えている野草を見て、食べたらおいしいんだろうか、と考えるぐらい、お金の不安がまとわりついている。

 お金がないからやりたいことを我慢して、コミュニケーションが不足しているから人との交流に飢え、だけど社会とのつながりがないから満たされない。その結果、ブログのPVばかりを求める承認欲求モンスターが爆誕した。誰がモンスターだ!

 とはいえ、あのまま仕事を続けていたら身体を壊していた可能性もあったわけで、当時の選択が間違いだったとは一概には言えない。働き続けていたら、いまより悲惨な目にあっていた可能性もある。

 選ばなかった先の未来がどうなっていたのか。それは誰にもわからない。ぼくたちにできることは、選んだ道を少しでもよりよいものにするための努力を積み重ねていくことだけだ

 選択した道は変えられない。過ぎ去った時間は取り戻せない。だから前に進むしかないのだが……

 ああ、追い詰められないと行動できない自分の怠惰が恨めしい。働きながら転職活動を成功させた友人がうらやましい。行動したもん勝ちだと頭でわかっていても、気持ちが動かない

 行動力と決断力がもっとあればなあ、とないものねだりをしながら、無職5年目がスタートした。

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