『ブログ飯』感想/おもしろい文章を書きたい!読まれるブログを作りたい!

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書評

 世の中にはおもしろい文章を書く人がごまんといる。つい最近も、たまたま訪れた書評ブログで圧倒的な文章力に打ちのめされてしまった。そして思った。「ぼくなんかがブログを書いてなんの役に立つんだろう?」と。

 おもしろい文章の定義はいろいろとある。個人的には、ひとつの記事を読んで別の記事を読みたくなるかどうかがポイントだと思う。読みやすく、適度にユーモアも交じり、共感や発見がある文章。そういった文章に触れると、これまでに書かれた記事、これから書かれる記事にがぜん興味が湧く。つまり、ファンになる。

 このブログは2019年から運営しており、もうちょっとで6年目を迎える。しかし、おもしろい記事を書けるようになったかというと、ぜんぜんそんなことはない。多少は読者の方のお役に立てたかもしれないが、自分の色を出せたかというと疑問符がつく。記事のジャンルもバラバラだし。ポケモンにツクールに読書感想文って、雑記にもほどがある! これでは読者が離れても仕方がない

 ちょっと長くなってしまったが、要するに、ぼくはいま自信を失っている。自分よりもはるかに格上の存在を見て、ブログを続ける意思が折れつつある。

 ブログをやめるかどうか。そんな考えまでもが脳裏をよぎるようになった。このままだとまずい。自分にもおもしろい文章は書けるんだと自信をつけて、どうにか気持ちを持ち直したい。

 そこで、先人の知恵を拝借することにした。ぼくなんかよりも真摯にブログに打ち込み結果を出してきた方の本なら、きっと袋小路から抜け出すための言葉があるはずだ。そんな気持ちで読み始めたのが、本書『ブログ飯 個性を収入に変える生き方』である。

 著者は染谷昌利(そめやまさとし)氏。発売日が2013年6月ということで、まあまあ古い。10年以上も前である。そう考えると、いまのぼくがこの本を読んで学びはあるのかと、ちょっと不安にもなる。当時は生成AIなんてバケモノも生まれていなかったし、ブログがオワコンなんてささやかれることも少なかったはずだ。この本が書かれた当時といまとでは、ブログを取り巻く環境はだいぶ変わってきている

 一抹の不安を抱きながら、本を開いた。

 心配は無用だった。この本の内容は、いまでも充分参考になる。いまからブログをはじめようと思っている初心者はもちろん、ぼくのようにブログでつまづいてしまった人にとっても、大きな助けになるだろう。

概要

 本書は、「飯が食えるブログ」作りたい人に向けた本である。

 「クリックしたくなる文章術」や「おすすめキーワード10選」といった表面的なテクニックは書かれていない。その代わり、ブログを作るうえで根幹となる部分についてわかりやすく解説してくれている

 「たくさんのファンを、継続的に得ることができるブログ」。これこそが、飯が食えるブログだと著者は言う。

 では、どうしたら読まれるブログを作れるのか? その答えが、全6章を通して書かれている。

目次
  • 第一章 私が「ブログ飯」になるまで
  • 第二章 ただのブログを「飯が食えるブログ」に変える
  • 第三章 継続して成果を出すブログの違い
  • 第四章 個人でお金を稼ぐということ
  • 第五章 SNSことはじめ
  • 第六章 突き抜ける技術

おもしろい文章を書くためのコツ

 どの章もおもしろかったが、特に何度も読み直したのが、第三章だ。ぼくが答えを知りたいと思っていたポイントがずらりと並んでいる。

「個性的で面白いブログにするには?」
「面白い文章が書けないときは?」
「なかなかファンが増えないときは?」

 著者は「人との違いが価値である」と指摘している。

 「誰でも知っているスマホゲームで遊んだ」話と「あまり知られていないマイナーな国に身ひとつで行ってきた」話だったら、たいていの場合、後者のほうに興味が湧くだろう。

 人は自分が知らないことに価値を見出す。逆に、自分が知っていることには価値をあまり感じない。

 ブログも同じだ。ほかでは得られないものを求めて読者はブログを訪れる。その期待に応えられるブログこそが、読まれるブログなのだ。

 そして、そんな「違い」や「差」を大きくするためには、独自の視点を持ち、多くの体験を積むことが重要となってくる。もちろん、最初からセンスの光る文章を書ける人もいるだろう。悔しいけど、いわゆる天才肌の人はいるものだ。しかし、ぼくのような凡人でも、ある程度は努力でセンスを養えると著者は言う。

 この点は、AIが台頭してきたいま、ますます重要になっているように思う。人間にできてAIにできないこと、それは体験することだ。AIは身体を持たないから、自分でなにかを体験することができない。AIが生み出す文章は広大なネットの海から拾い集めた情報の集合体であり、個人の体験に基づいたものではない。だからこそ、そこに活路がある。

根っこを鍛えるには、ごく単純ですが、とにかく体験することです。実感に裏打ちされた文章には、体験した人間でしか書きえない臨場感があります。文章に説得力が増すのです。ちょっと検索して知った気になっている人間が書いたものと比べると、それは一目瞭然。ブログ全体の魅力にもつながります。関連した本を読みましょう。いろいろなところに出かけましょう。

『ブログ飯 個性を収入に変える生き方』108ページ

 思い返せば、いまのぼくには経験が圧倒的に不足している。仕事を辞めてからは特にひどい。ほとんど家から出ることなく、1日の大半をスマホやパソコンを見ることに費やしている。ブログを書くため、ゲームを作るため。そう言いながら、実際はネットサーフィンやスマホゲームに勤しむばかりだ。

 せめてスマホゲームの感想や攻略情報をアウトプットしていれば成長の糧になっただろうが、それすら面倒でやっていない。こんな生活をしている人間に、おもしろい文章が書けようか?

 人間はもともと怠けたがる生き物らしい。だから、ある意味いまのぼくは生き物として正しい姿なのかもしれない。しかし、ブログ運営者としては失格だ。液晶画面からしか情報を得ていなければ、そりゃネタも枯渇するに決まっている

「暑いからエアコンが効いている家でテレビでも見ていよう」というような、みんなと同じ経験しかしていない人は、世間一般的な内容の記事しか書くことができません。

『ブログ飯 個性を収入に変える生き方』116ページ

 耳が痛い。寒いから暖房の効いている家でテレビを見ているぼくには、よく刺さる。

暑いからこそ日本で一番暑い熊谷まで行ってみようとか、雨の時にジョギングしたらどんな感じなんだろうとか、人と違うこと、みんながやらないことを敢えて体験することにより、あなたにしか書けない内容が文章に入ってくるのです。

『ブログ飯 個性を収入に変える生き方』116、117ページ

最後に

 おもしろい文章をすぐ書けるようになる裏技なんてものは存在しない。地道に経験を重ね、自分の言葉で表現していく。そうすることでしか、凡人はセンスを磨けない。

 家の中でひたすら同じことを繰り返すのは、とても楽チンだ。しかし、そんな人間が文章で人の心を動かそうとしたって無理だろう。価値を生み出せないからだ。居心地のいい場所から抜け出して面倒なことをするからこそ、他人との差別化が図れる

 結局、行動するしかないのだ。

 本書を読んで、自分に足りなかったことを実感できた。もう少し、このブログを続けてみようと思う。よし、今日からがんばるぞ!

 もし、1年以上ブログを運営していて、1日のアクセス数が500PV以下、月額の収益が5万円以下なのであれば、何かしら運営方法に問題があります。(中略)
 そのような状況なのであれば、思い切ってそのブログは捨てて、新たなテーマで仕切り直した方が良いでしょう。

『ブログ飯 個性を収入に変える生き方』213ページ

 え、やっぱりやめるべき?

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