『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』(以下ポケモンSVと表記)は1000時間以上やりこむぐらいおもしろいゲームだった。
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ストーリーなんてあってないようなものと思っていたら後半の展開には驚かされたし、登場キャラクターもそれぞれ個性があっていい。なによりポケモンとオープンワールドの組み合わせが画期的だ。ジムバッジをひとつも集めずに300種類以上ものポケモンを捕まえることができるなんて、これまでの作品では考えられなかった。カビゴンに通せんぼされる時代は終わったのだ。
その一方で、ここがもっとこうだったらよかったのになあ、と思う点もいくつかある。
ポケモンSVが発売されてから、早2年以上が過ぎた。周期的に今年か来年あたりに10作目が出てくるかもしれない。
今回は、ポケモンSVで感じたことをベースに、いつかきたるポケモン最新作に実装されてほしい要素をつらつら書き連ねていこうと思う。
まだ『Pokémon LEGENDS Z-A』すら発売されていないのに、ちょっと気が早いか?
ポケモン新作に求めること
色違いの出現時に音を鳴らしてほしい
お願いしますゲーフリ様、『Pokémon LEGENDS アルセウス』にあった機能を、どうか最新作でも採用してください。
シンボルエンカウントが採用されたポケモンSVでは、色違いを狙って出しやすくなった反面、見落とし事故が多くなった。
渋い青からショッキングピンクに変わったヘラクロスぐらいの違いがあればわかりやすいのだが、中にはズピカのように、色の変化が小さいうえサイズも小さいポケモンがいる。そんなポケモンの色違いでもしれっと通常色に交じって出現するのが、ポケモンSVの世界だ。もっと己の存在をアピールしろ!
別に音じゃなくてもいい。定期的にきらりと光るとか、常にオーラをまとまっているとか、とにかく「自分はほかの通常色のポケモンとは違うんだぞ!」ということを色違いポケモンはもっとプレイヤーに主張してほしい。バトルがはじまってからキラキラキラーンと派手に光ったって遅いのだ。
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色違い厳選中であれば違和感に気づけるかもしれないが、単にフィールドを移動している最中だと難しい。色違いがいるかもしれないと常に身構えているわけではないから、ズピカのように変化が小さいポケモンは見逃しやすい。
フィールドを歩いているとき、たまたま色違いポケモンと出くわすのも旅の醍醐味のひとつだ。色違いの出現と同時に音が鳴ってくれれば、「色違いを見落としたかも……」なんて不安に襲われることなく、安心して旅ができるようになるだろう。
四天王と再戦したい
ポケモンSVでは、なぜか四天王との再戦ができなくなった。なんで!? どうして!? チリちゃんと1回しか戦えないなんて人類の損失では!?
のちに発売されたDLC『藍の円盤』で再戦できるようになったが、どうせだったら本編で戦わせてほしかった。BP高いねん。
四天王と再戦できない理由については、学校最強大会が開かれたからだと思っている。誰だ、あんな大会を開こうなんて言い出した生徒は!
お祭り騒ぎの中でするバトルも楽しいが、荘厳な四天王戦を過去作で何度も味わってきた身としては、やっぱりポケモンリーグに再挑戦できるとうれしい。
人工ダンジョンがもっとほしい
オープンワールドが採用され、あらゆるエリアがシームレスにつながるようになった本作。ただ、オープンワールドとしては若干の物足りなさをおぼえる。その理由のひとつが、ダンジョンらしいダンジョンが少ない点だ。ポケモンSVのダンジョンというと、パルデアの大穴をのぞけば各地の洞窟ぐらいしか思い浮かばない。
たとえば金・銀では、マダツボミのとう、アルフの遺跡、ロケット団のアジト、ラジオとうなど、古い建物から新しい建物まであってバリエーションに富んでいた。
ルビー・サファイアでは、すてられぶねとそらのはしらが印象深い。
ポケモンSVにも遺跡や塔はある。しかし、柱が並んでいるだけだったりハシゴをのぼれるだけだったり、ダンジョン感はまったくない。あくまでフィールドオブジェクトの一部といった感じだ。
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もしできることなら、次作ではダンジョンのバリエーションが増えてほしい。
とはいえ、ポケモンシリーズはポケモンが主役。それ以外の要素は脇役と言ってもいい。フィールドを豪華にするぐらいだったら、登場ポケモンの数を増やしてくれたほうがうれしい、という気持ちもある。
家の中に入りたい
どうして……どうしてこれだけ街並みが立派なのに、建物の中に入れないの?
ポケモンSVでは、中に入れる建物の数が極端に少ない。内装が用意されているのは主人公やネモの家などごく一部に限られ、それ以外の民家やビルはすべて閉ざされている。その立派な外観はハリボテか!?
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部外者が勝手に入れないのは正しい。というか、倫理的に見れば、他人の家にずけずけ上がりこめた過去作がどうかしていた。しかし、やっぱり家の中には入ってみたい。RPGは家探しできてなんぼだろう。ドラクエの時代からそう決まっている。
街並みが立派なだけに、内装まで用意されていないのはちょっと残念だった。
ジムリーダーのレベルが変動してほしい
もし今後もオープンワールドを採用するなら、ジムリーダーの手持ちポケモンのレベルがプレイヤーのジムバッジ所持数によって変動してくれるとありがたい。
相手の弱点を突けばレベル差があっても倒せるとはいえ、さすがに限度がある。せっかく自由に冒険できるのに、ジムリーダーのレベルが固定されていては、結局ある程度決まった順序で攻略することになってしまう。
どのジムから挑戦しても歯ごたえのあるバトルが楽しめると、なおよかった。
バッグのポケットを増やしてほしい
ポケモンSVを遊んでいてちょっと不便だなと感じたのが、バッグの内訳だ。「どうぐ」のポケットに入るアイテムの種類がとにかく多い。
テラレイドバトルに挑戦するときポケモンの持ち物を変えるのだが、目当ての道具がなかなか見つからずに苦労した。「せんとう」ポケットを見ろ、スッカスカだぞ。
処理を軽量化してほしい
最後はパフォーマンス面について。
本作では、とにかくいろいろな場面で処理が重く感じられた。特に、初期のボックスの読み込み速度はなかなかのものだ。アップデートで改善されたからよかったものの、あの遅さのままだったらいつか発狂していたかもしれない。
ゲームをプレイしていると、少しのロード時間が思いのほかストレスになる。いまでもアクセサリーをかえるとき、プレビューの表示が遅くてついついささくれ立ってしまう。それぐらい我慢しろよ、と言われればそれまでなんだけど、やっぱりできるだけスムーズなゲーム体験がしたいわけで。
次作ではロード時間が短くなっていると大変ありがたいです。
最後に
ぼくはニンテンドーDSのダイヤモンド・パール以降、しばらくポケモンから離れていたが、久しぶりにポケモンの世界に戻ってきて驚いた。
グラフィックの進化がとにかくすごい! 見下ろし型だった過去作と比べて、キャラクターも建物も自然も、すべてが立体的になっている。
ゲームの世界をより高解像度で体験できるようになった一方で、グラフィックがリアルに近づけば近づくほど細かい点が気になってくる。浮いているのに、なぜかじめん技が当たるポケモンとか。あちら立てればこちらが立たぬ。難しいところだ。
オープンワールドを採用し、今作で大きく舵を切ったポケモンシリーズ。次作はさらなる進化を遂げてくれることだろう。
10作目ではどんな世界を見せてくれるのか。そして、どんな冒険がぼくらを待っているのか。想像するだけでワクワクが止まらない。
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