ぼくの家には、いつの間にか使わなくなってしまったガジェットがいくつかある。
もちろん使うつもりでいたからこそ購入したわけだが、いざ実際に手にしてみると、自分の生活と合わないことに気づく。
あれ? ぼくにはこれ、必要ないのでは?
そんなガジェットたちは、いまや押し入れの奥で眠っている。せっかく高いお金を払ったのに、もったいない。
どんなに素晴らしい機能を持ったガジェットだとしても、合う人と合わない人がいる。それは仕方のないことだ。だからこそ、ぼくらは本当にそのガジェットが必要なのか、購入する前によく考えなければならない。マッチングミスは大きな痛手だ。
今回は、ぼくのガジェットにまつわる失敗談を紹介する。こんなミスマッチが起きるのか、とぜひ参考にしてほしい。……参考になるか、これ?
Meta Quest 2
使わなくなったガジェットのひとつ目は、Meta Quest 2である。
手軽にVR(バーチャル・リアリティー)を楽しめるヘッドセットだ。ぼくが買ったときは、まだOculus Quest 2という名前だった。
映像が360度全方位に表示され、アパートの狭い部屋が一瞬にして異世界に化ける。その没入感と臨場感は段違いだ。宇宙を舞台にしたゲームでは、実際に浮遊感を感じたほど。
それほどまでにすごい装置なのに、ここ数年、遊んでいない。なぜか。
最大の原因は3D酔いである。
ぼくはお腹が弱いことで有名だが、三半規管も弱い。あと片頭痛持ちでもある。そのせいか、少しVRゲームを遊んだだけですぐ頭痛や吐き気に襲われてしまう。
一度頭痛が起きると、なかなか治らない。市販の頭痛薬を飲んでも効果が出るまで時間がかかる。その間、ずっとガンガンとなにかを打ちつけられるような痛みを我慢しなくてはならないのだ。端的に言って、つらい。
こっちは楽しみたくてゲームをやってるんだ! いつ頭痛が襲ってくるのかビクビクしながら遊ぶゲームなんてぜんぜん楽しくない!
3D映像をずっと見ていればそのうち慣れるらしいが、慣れる前にぼくの心が折れた。
ポメラ
ふたつ目は、キングジムのデジタルメモ「ポメラ」だ。書くことに特化したツールであり、ぼくが小説家を目指していたころに購入した。
カフェでコーヒーを飲みながら執筆するのってなんか優雅でカッコよくない? そんな低俗で短絡的な妄想が購買の動機である。
形から入る最悪の例だが、お家大好き人間のぼくは、そもそもほとんど外出しない。ポメラの売りは軽くて持ち運びがしやすく、外出先でも手軽に文章を書けるという点だ。出不精のぼくでは売りを活かす機会がぜんぜんない。
家にいるならノートパソコンで用が足りる。ネットに繋がっているぶん誘惑は多いが、キーボードは打ちやすいし、画面も大きく解放感がある。不慣れなポメラだと文字を打ち間違いやすい。
そもそもコーヒーは嫌いである。なんでカフェで執筆すると思った?
Bluetooth超薄型ミニキーボード
みっつ目は、Bluetoothを搭載した超薄型ミニキーボード。
スマホとペアリングすれば、スマホにキーボードで文字を打ち込むことができるようになる。これも執筆用に購入した。使わなくなった理由は、ポメラとまったく同じ。
というか、ポメラがあるのになんでミニキーボードなんて買ったんだ?
ミラーレスカメラ
最後はミラーレスカメラ。
旅行の思い出を写真におさめたい! そんな思いから購入した。それなりのお値段がしただけあって、きれいな写真を撮ることができる。
しかし、愛用していたのは最初のころだけ。次第にカメラを触る機会が減り、とうとう取り出さなくなってしまった。
ミラーレスカメラを使わなくなった理由は、まず、とにかくかさばるからだ。
重量がそれなりにあるし、体積もでかい。ただでさえ旅行のときは荷物が多いのに、カメラなんて持っていったらさらに負担が増す。旅行はできる限り軽装で行きたいぼくとしては、あんまりよろしくない。
もうひとつは、スマホという代替品があること。
いまのスマホは性能が高い。写真を生業にしているプロならともかく、ぼくのように旅行の思い出を残しておきたいだけであれば、スマホでも事足りる。
結局、ミラーレスカメラなんて大それたものを持ち運ぶよりも、ポケットにおさまるスマホのカメラで充分だよね、となってしまった。
カメラにハマったら、また話は違ったのかもしれないけど。
最後に
家ならノートパソコン、出先ならスマホ。結局、このふたつが最強なのだ。
もしまた心惹かれる商品が出たら、そのときは宝の持ち腐れにならないよう、買う前に慎重な検討を心がけたい。
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