学園&青春ミステリ小説おすすめ5選!大人も中高生も楽しめる謎解き

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書評

こんにちは、ミステリに目がないライムです。

数あるミステリの中でも、学校を舞台にした学園ミステリが特に好き。甘酸っぱい恋模様、かけがえのない友情、そして事件を通して成長していく主人公の姿。

爽やかだけど、ちょっとほろ苦い青春要素がぎゅっと詰め込まれており、いつ読んでも色あせない鮮やかな世界が広がっている。

高校生のころは、現実との落差にため息をこぼしつつ、理想的な学校生活への憧れを膨らませながら読んだものだ。

大人になったいま読むと、二度と戻ってこないあのころを思い出してしまい、情緒が大変なことになる。

今回は、そんな学園&青春ミステリの中でも特に印象に残っている5冊を紹介。

氷菓

いつの間にか鍵のかけられた教室、毎週貸し出される本、秘密を抱えた生徒、そして文集『氷菓』に隠された謎――省エネ主義の折木奉太郎が、古典部の仲間とともに日常に潜む小さな謎を解いていく。

古典部シリーズ第一弾。アニメ化もされた人気作品であり、僕の青春に多大な影響を与えた一冊。“日常の謎”に興味を持ち始めたのも、一時期「さいで」が口癖になったのも、だいたいこの本のせい。

発売からしばらく経つが、いまでも変わらず楽しく読めるのはすごいと思う。

古典部メンバーが各々の切り口から謎に迫るシーンとか、文化祭が控えた学内の空気とか、ひとつひとつの描写が青春の記憶を刺激し、ノスタルジーな気持ちを呼び覚ましてくる。この雰囲気がたまらない。

断片的に散りばめられた情報を一気につなぎ合わせる展開は見事で、謎解きの面白さを再認識させてくれる一冊。

退出ゲーム

廃部寸前の弱小吹奏楽部を立て直すため、部員集めに奔走するチカとハルタ。しかし、そんな彼女たちに次々と謎が降りかかる。盗まれた劇薬、六面真っ白なルービックキューブ、演劇部との即興劇対決、そして不思議な発明品――

“ハルチカ”シリーズ第一弾。こちらもアニメ化済み。

テンポのいいボケとツッコミ、そして回を重ねるごとに増殖する変人キャラがクセになる。ブラックリスト十傑とか好き。

漫画と違って文章だけで人を笑かすのはなかなか難しいことだが、この本では何度も吹き出した。小説を読みながらここまで笑ったのは初めてかもしれない。

コミカルな掛け合いと謎を解いた先に見えてくる重い現実とのギャップが絶妙なバランスで成り立っており、不覚にも涙腺が緩んでしまった。

コメディタッチな作風で油断させておいて、哀しいエピソードを突っ込んでくるとか反則だよ!

探偵は教室にいない

真史のもとに届いた差出人不明のラブレター。送り主を探すため、彼女は幼馴染の鳥飼歩と再会を果たす。合唱を巡るトラブル、友人の不審な行動、家出少女の行方――日常で出くわす謎を通して、少年少女たちは一歩前へと進んでいく。

第28回鮎川哲也賞受賞作ということで手に取ったが、作中の雰囲気が好きすぎて、読み終えるころにはすっかりファンになってしまった。

中学生の多感な姿が瑞々しいタッチで描かれており、日常の謎の中でも群を抜いて透明感のある物語だ。

かけがえのない友達だからこそ気づけた謎というのも、なんだか尊くてまぶしい。派手さなどなくたって、読者の心を十分に惹きつけられるのだと思い知らされた。

謎を解き明かす過程で友達の新たな一面を知り、少しずつ成長していく少年少女たちの姿が胸にしみる。

つかの間の安息を得たかのような読後感。読んでよかった。

冷たい校舎の時は止まる

ある雪の降る日、8人の高校生が校舎に閉じ込められた。出入口は不思議な力によって閉ざされ、校内には誰の姿も見当たらない。なぜ自分たちは閉じ込められたのか。原因を見つけるため、学園祭で自殺した生徒を思い出そうとするが……

鈍器とまではいかないが、上下巻あわせて1000ページを超える大作。

初めて見たときは「正気か?」とのけぞったが、いざ読み始めると、温かさと冷たさを持つ青春模様や巧みな心理描写にすっかり魅了されてしまった。

ジャンルとしては、青春ミステリ×ファンタジーといったところ。

毎回思うが、辻村深月は人物描写が本当にうまい。凡人が言葉にできない心の揺らぎのようなものを、これでもかってぐらい言語化してくれる。

それだけに、心をえぐられることも多いんだけど。

この本の唯一の欠点をあげるとすれば、やはりこの長さだろう。せめてもう少し短ければ、誰彼かまわずにオススメできたのに。

体育館の殺人

放課後の体育館で、放送部員が殺された。現場は密室状態となっており、警察は現場にいた唯一の生徒、女子卓球部の部長を犯人と断定。部長の窮地を救うため、柚乃は裏染天馬に真相究明を依頼するが――

青春ミステリとは少し趣が異なるが、高校を舞台にした作品であることは間違いない。なにより学園×本格ミステリという組み合わせが面白い。第22回鮎川哲也賞受賞作。

ロジックに全振りした作品であり、少ない手がかりを頼りに導き出される怒涛の推理には目をみはる。特に傘のシーンが秀逸だ。トイレに残された一本の傘から、犯人候補を絞っていく手際は見事としか言いようがない。

パズルのピースがかちりとハマっていくような気持ちよさは、まさに本格ミステリの醍醐味である。

語り口はライトだが、いい意味で裏切られた。肩肘張らずに読めるので、本格ミステリの入門書としておすすめ。

コメント

  1. より:

    館四重奏シリーズは意外と面白いですよ!

  2. よもぎだんご より:

    ホラー系の本の紹介お願いします!

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